「TikTokに投稿しているのに再生されない」「フォロワーが増えない」。そんなとき、アルゴリズムの攻略法を探したくなるものです。ただ、ネット上の「視聴完了率〇%を超えれば伸びる」「この時間に投稿すればよい」といった話の多くは、TikTok自身が公表していない推測です。
この記事では、TikTokが公式に説明している「おすすめの仕組み」を原文で確認できた範囲で整理し、そこから企業アカウントが運用に生かせる考え方を紹介します。「必ず再生される方法」や具体的な数値の基準は、公式に示されていないため書きません。運用のコツは「当社の例」として区別します。
この記事の3行まとめ
① 公式は、おすすめを「リアクション・コンテンツ情報・ユーザー情報」などの要素から、関心度を予測して順位付けすると説明している。確認できた範囲では、数値の基準は示されていない
② フォロワー数は、おすすめの直接の要因ではないと説明されている(ただし、フォロワーが多いと見られやすい面はある)。伸びる保証はない
③ 企業アカウントは、商用コンテンツの公開設定や音源の制限など、公式の決まりを守ることが、おすすめ配信の前提になる
TikTokの「おすすめ」はどう決まる?公式の説明
TikTokの公式ヘルプによると、おすすめシステムは、ユーザーの関心を予測して、膨大なコンテンツの中から興味を持たれそうなものを順位付けして表示します。予測の主な要因は次の3つです。
| 分類 | 「おすすめ」フィードで例として挙げられた要素 |
|---|---|
| ユーザーのリアクション | いいね、シェア、コメント、全編視聴、スキップしたコンテンツ、相互フォロー中のアカウント |
| コンテンツの情報 | 楽曲、ハッシュタグ、動画視聴数、コンテンツが公開された国 |
| ユーザーに関する情報 | デバイスの設定、言語設定、位置情報、タイムゾーンと日付、デバイスの種類 |
同じヘルプでは、各要素はおすすめやランク付けに「多かれ少なかれ」影響し、重要度は時間の経過とともに変わる場合があるとも書かれています。そのうえで、ほとんどのユーザーにとっては、動画の視聴に費やした時間などのリアクションが、通常は他の要素より重視されるとされています。(出典:TikTokヘルプ(おすすめの仕組み))
2020年のTikTok Newsroom(英語)にも、強い関心を示す行動(長めの動画を最初から最後まで見るなど)は、弱い指標(視聴者と投稿者が同じ国にいるなど)より大きな重みを持つ、という説明があります。(出典:TikTok Newsroom(2020年6月))数値の基準は示されていないため、「視聴完了率〇%」のような目標値は公式の情報ではありません。
フォロワー数とおすすめの関係
「フォロワーがいないと伸びない」「フォロワーゼロでも伸びる」という両方の話を聞きますが、公式の説明は次のとおりです。TikTok Newsroomでは、フォロワーが多いアカウントの動画は、フォロワーの基盤がある分だけ多く見られやすい可能性があるとしつつ、フォロワー数や、過去に好調だった動画があるかどうかは、おすすめシステムの直接の要因ではないと説明されています。(出典:TikTok Newsroom(2020年6月))
一方、現行のヘルプ(2026年10月に確認)でも、おすすめフィードの要素の例にフォロワー数は挙がっていません(LIVEフィードとアカウントのおすすめの例には、フォロワー数が挙がっています)。また、新しいクリエイターやコンテンツを紹介してフィードを多様化する、という方針も書かれています。(出典:TikTokヘルプ(おすすめの仕組み))ただし、これは「新規アカウントでも必ず表示される」という意味ではありません。見られるかどうかは、ほかの要素との兼ね合いで決まります。
表示される面によって、要因が違う
TikTokには「おすすめ」以外にも、フォロー中、友達、検索などの面があります。ヘルプでは、面ごとに要因の例と、重視されやすい要素が説明されています。企業の運用では、「おすすめ」だけでなく、検索で見つけられることも意識する価値があります。
| 面 | 要因の例(ヘルプの記載) | ヘルプで「重視される」とされた要素 |
|---|---|---|
| おすすめ | リアクション、コンテンツ情報、ユーザー情報 | ほとんどのユーザーで、視聴時間などのリアクション |
| フォロー中 | フォロー先のプロフィール訪問数、いいね・シェア・コメント・全編視聴・スキップ | ほとんどのユーザーで、視聴時間などのリアクション |
| 友達 | 相互フォロワーなどのコンテンツ、リアクション | ほとんどのユーザーで、いいね数やコメント数などのリアクション |
| 検索 | 過去の検索、コンテンツと検索クエリとの一致度、ハッシュタグ、使用楽曲 | ほとんどのユーザーで、コンテンツ情報(入力したキーワードとの一致の程度など) |
出典:TikTokヘルプ(おすすめの仕組み)。検索では、コンテンツと検索キーワードの一致が重視されると説明されているため、動画の内容を表す言葉をキャプションや動画内の字幕に入れることは、筋の通った考え方です(具体的なハッシュタグの個数などは公式に示されていません)。
おすすめされにくくなるケース
公式の説明の中には、おすすめの対象外になる、または表示が控えられるケースもあります。企業が特に注意したい点を整理します。
- おすすめフィードの掲載基準を満たさないコンテンツ:TikTok上で許可されている内容でも、基準を満たさなければおすすめには表示されません。一般の視聴者に適さないと思われるカテゴリは、削除対象でなくても表示が控えられたり、制限されたりします。(出典:TikTokヘルプ(おすすめの仕組み))
- 重複、スパム、人為的なトラフィック増加:2020年の説明では、重複したコンテンツ、すでに見たコンテンツ、スパム(トラフィックを人為的に増やそうとする動画を含む)はおすすめされない、アップロード直後や審査中の動画も対象外になりうるとされています。(出典:TikTok Newsroom(2020年6月))
- 商用コンテンツの公開設定:ブランド・商品・サービスの宣伝用コンテンツでは、商用コンテンツの公開設定を有効にする必要があります。公開設定が適切でない場合は、おすすめフィードに適さない動画とみなされ、オーガニックのパフォーマンスに影響する可能性があります。アプリの通知から24時間以内に対応しないと、おすすめフィードでの配信に制限がかかるとされています。(出典:TikTok for Business ヘルプ(商用コンテンツ公開設定))
- 同じ音源・同じ投稿者の連続:同じ音源や同じクリエイターの動画が、続けて表示されることは通常ないと説明されています。(出典:TikTok Newsroom(2020年6月))
企業アカウントが公式の決まりとして押さえること
企業の運用では、次の公式の決まりがおすすめの前に関わってきます。
- 音源の制限:認証済みビジネスアカウントでは、一般楽曲ライブラリの楽曲は商用利用が許可されていないため使えず、商用楽曲ライブラリ(CML)のサウンドのみが表示されます。(出典:TikTokヘルプ(アカウントタイプ)、TikTok for Business ヘルプ(商用音楽ライブラリ))そのため、他のアカウントで流行している音源をそのまま使えない場合があります。
- インサイトの確認:TikTokインサイトは、コンテンツのパフォーマンス、視聴者の属性、エンゲージメントの傾向を確認できる無料ツールで、TikTok Studioから見られます。(出典:TikTokヘルプ(インサイト))ウェブのビジネススイートでは、動画を視聴回数の多い順などで確認できます。(出典:TikTok for Business ヘルプ(ウェブビジネススイート))アカウントの始め方はTikTok企業アカウントの始め方をご覧ください。
公式の説明から考える、運用の進め方(当社の例)
公式が示すのは仕組みの方向性までで、「こうすれば伸びる」という手順ではありません。そのうえで、当社では次の順番で運用を考えることを勧めています。
- 見る人の反応を前提に動画を作る:視聴時間などのリアクションが重視されるという説明があるため、冒頭で何の動画かを伝え、内容に見合った長さにするなど、最後まで見てもらいやすい構成を試す
- 検索で見つけられる言葉を入れる:お客様が検索しそうな言葉を、キャプションと字幕に自然に入れる
- 公式の決まりを守る:商用コンテンツの公開設定、商用楽曲ライブラリの利用を徹底する
- 仮説を立てて1つずつ検証する:変える点を1つに絞り、同じ指標で前後を比べる
- 数か月単位で振り返る:1本の結果で判断せず、複数の投稿の傾向を見る
検証のやり方はTikTok分析・インサイト活用法、広告で届ける方法はTikTok広告の始め方で解説しています。
| 仮説(例) | 変える点 | 見る数字(例) |
|---|---|---|
| 冒頭で内容を伝えると最後まで見られやすい | 冒頭の見せ方だけを変える | 平均の視聴時間、全編視聴の割合(画面にある場合) |
| 検索キーワードを入れると見つけられやすい | キャプションと字幕の言葉 | 検索経由の視聴(画面にある場合) |
見られる指標は、アカウントの種類や提供状況で異なる場合があります。実際の画面で確認してください。
TikTokアルゴリズムのよくある失敗
| 失敗例 | 対処 |
|---|---|
| 非公式の「必勝法」や数値目標を信じる | 公式の説明で確認できる範囲を基準にし、自社の数字で検証する |
| フォロワー数だけを追う | フォロワー数は直接の要因ではないと説明されている。反応と成果を見る |
| 他社が使っている音源を真似する | ビジネスアカウントでは商用楽曲ライブラリの範囲で選ぶ |
| 商用コンテンツの公開設定を後回しにする | 宣伝の動画は公開設定を確認する。通知が来たら24時間以内に対応する |
よくある質問(Q&A)
Q. フォロワーが少ないアカウントでも再生されますか?
A. フォロワー数はおすすめの直接の要因ではないと説明されており、新しいクリエイターを紹介してフィードを多様化する方針も書かれています。ただし、再生されることを保証する記載はありません。(出典:TikTok Newsroom(2020年6月)、TikTokヘルプ(おすすめの仕組み))
Q. 毎日投稿しないとアルゴリズムに不利になりますか?
A. 公式ヘルプで、投稿頻度とおすすめの関係を示す記載は確認できませんでした。毎日投稿が必要という記載も確認できませんでした。続けられる頻度を自社で決め、数か月単位で結果を見てください。
Q. 過去の動画が伸びなかった場合、アカウントを作り直すべきですか?
A. 2020年の説明では、過去に好調だった動画があるかどうかは直接の要因ではないとされています。ただし、伸びなかった過去の動画がどう影響するかの記載は確認できません。作り直す前に、動画の内容や見せ方の検証が先です(当社の考え)。(出典:TikTok Newsroom(2020年6月))
まとめ
TikTokの公式説明では、おすすめはリアクション・コンテンツ情報・ユーザー情報などから関心を予測して順位付けされ、フォロワー数は直接の要因ではないとされています。ただし、具体的な数値の基準や必勝法は示されていません。企業アカウントは、商用コンテンツの公開設定や音源の制限といった公式の決まりを守ったうえで、仮説と検証を数か月単位で続けることが現実的です。
最初の一歩として、直近の動画から3〜5本を選び、冒頭の見せ方とキャプションの言葉を比べて、仮説を1つ決めてみてください。

