BtoC小規模店舗向けSNS選定

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「お店をやっているけれど、SNSはどれから始めればいいのか分からない」。小規模な店舗の方から、いちばん多くいただく相談です。お店の場合に大切なのは媒体の人気ではなく、「お客様が来店・予約するまでの道のりのどこを、どのSNSが受け持つか」です。

この記事では、総務省の公的統計で「お客様が店の情報をどこで得ているか」を確認したうえで、目的・ターゲット・運用時間・コンテンツの形式という4つの基準で媒体を選ぶ方法を整理します。あわせて、予約・来店につなぐ入口の公式仕様と、お客様に投稿をお願いするときの注意点も扱います。情報は2026年10月時点のもので、仕様や料金は変わるため、最新の内容は公式ページで確認してください。

この記事の3行まとめ

① 選ぶ順番は「予約・来店の入口を決める→その入口へ人を送る媒体を決める」
② 公的調査では、グルメ情報などの入手先としてSNSは有力な選択肢の一つだが、テレビや友人・家族の会話なども多い。検索・地図の情報も整える
③ 小規模店は「見つけてもらう場所」と「連絡・再来店の場所」を1つずつ、まず2媒体に絞る(当社が勧める一例)

お客様は店の情報をどこで得ているのか(公的調査)

総務省 情報通信政策研究所の令和7年度調査(13歳~79歳の男女1,800人、令和7年12月1日~7日実施)では、最近1か月に情報を得たメディアを情報の種類ごとに尋ねています。(出典:総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」報告書の表6-2)

情報の種類ソーシャルメディア専門情報サイト友人・知人・家族の会話SNSを「最も情報を得た」とした割合
グルメ情報20.2%13.2%24.1%13.7%
ショッピング18.7%21.5%20.3%13.1%
旅行・観光情報15.6%17.7%20.8%9.7%

(全年代1,800人・複数回答。専門情報サイトは、グルメ・通販・ホテル予約などの分野別サイトを指す)グルメ情報ではテレビも42.8%と高く、SNSだけで完結していないことが分かります。SNSで知った後に、店名で検索や地図を調べる行動が挟まる可能性があるため、検索・地図に出る基本情報も整えておくのが安全です(この解釈は当社の見立て)。なお全国平均の傾向で、あなたの店の客層とは一致しません。「当店をどこでお知りになりましたか」という一言アンケートで、自店のデータを確かめましょう。

媒体を選ぶ4つの基準

次の表は、当社が現場でよく使う判断の目安をまとめた一例です。公式が定めた基準ではありません。

基準確認すること判断の一例
目的新規集客か、再来店か、予約か新規は写真・動画で見つけてもらえる媒体、再来店・予約は連絡が確実に届く媒体と役割を分ける
ターゲット客層の年代・性別、地域年代・性別は関連記事の統計、地域は次の節で確認する
運用時間営業の合間に使えるのは週に何時間か1人営業なら2媒体まで。3つ目は2つが回ってから
コンテンツの形式写真・動画・文章のどれが得意か料理や施術の写真が強みなら写真中心、実演が撮れるなら短い動画

地域で変わる各SNSの利用状況

同調査で全年代の利用率は、LINEが92.9%、YouTubeが81.5%、Instagramが54.8%、Xが44.7%、TikTokが36.7%、Facebookが27.0%でした(「自分が利用している」と答えた人の割合)。年代別・性別の詳細はユーザー属性で選ぶ自社向けSNSで扱います。店にとって見逃せないのは地域差です。同調査の集計表から、都市規模別の利用率を計算しました。(出典:総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」報告書、同調査のアンケート調査集計表を当社で集計。「いずれからも利用していない」を除いた割合)

100万人以上の市(416人)町村部(160人)
LINE92.3%95.6%
Instagram57.0%49.4%
X(旧Twitter)48.6%37.5%
TikTok32.7%25.0%

町村部は回答者が少なく誤差の可能性もありますが、地方の店舗ほどLINEを優先する理由にはなります。各社の公式発表では、LINEの国内月間利用者数は1億ユーザー超(2025年12月末時点、スマートフォンに紐づくアカウントで月1回以上起動したもの)(出典:LINEヤフー「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026年1月29日))、TikTokの日本の月間アクティブユーザー数は4,200万超(TikTok Liteとの重複を除く自社調べ)(出典:TikTok Japan公式note(2025年11月27日))です。定義が異なるため、数字を並べた比較は避けましょう。

「入口」を先に決める:予約・来店につなぐ公式の仕組み

入口公式で読めた内容使いどころ(例)
Googleビジネスプロフィールマップと検索での表示を無料で管理でき、営業時間・電話番号を載せ、クチコミへの返信や予約リンクへの誘導もできる(出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「スタートガイド」)店名で検索した人が最初に見る場所。営業時間の更新を最優先に
LINEで予約予約サービスと連携済みのアカウントで使え、予約フォームをメッセージやリッチメニューで案内できる。プロフィールに予約ボタンを置けば友だち以外からも予約を受けられ、予約数・来店数は分析で確認できる(出典:LINE公式マニュアル「LINEで予約」)再来店の案内と予約の受け口
Instagramのプロフィールプロアカウントで連絡先を表示できる。アクションボタンは提携先が限られ、表示できるのは1つ(出典:Instagramヘルプ「Set up a professional account」、Instagramヘルプ「Add an action button」)ボタンが使えない場合はリンクで代替

LINE公式アカウントの料金は、公式ページ(2026年10月4日時点)で、月額0円・無料200通のコミュニケーションプラン、5,000円(税別)・5,000通のライトプラン、15,000円(税別)・30,000通のスタンダードプランが案内されています。通数は「送った回数×友だちの数」で数え、チャットの送受信やあいさつメッセージは対象外です。コミュニケーションプランは200通を超える配信ができません。(出典:LINE公式アカウント 料金プラン。同ページには2026年10月1日付の追加メッセージ料金の改定も記載されており、料金は変わり得ます)

計算例として、友だち50人のお店が月4回一斉配信すると50人×4回=200通で、無料枠いっぱいです。「全員向けは月2回まで、個別の案内はチャットで」と決めておくと続けやすくなります。

業種別・最初の一手の例

業種見つけてもらう場所(例)予約・再来店の入口(例)
飲食店料理・店内の写真や短い動画Googleビジネスプロフィール、LINEのクーポン(Googleビジネス×SNSの連動)
美容サロン施術例の写真・動画予約サービス連携のLINEで予約
小売店商品・入荷情報の写真LINEの入荷案内とクーポン(小売店SNS集客完全ガイド)
整体・鍼灸など症状別の質問に答える短い文章や動画電話・LINEチャットでの予約、次回予約の案内
教室授業の雰囲気の写真・動画LINEで体験申込みと連絡

なお、Instagramのインサイトでは、フォロワー100人以上で上位の地域・年齢層・活動の多い時間帯を確認できます(出典:Instagramヘルプ「About Instagram insights」)。月に1回、客層と合っているか見直しましょう。

お客様に投稿をお願いするときの注意(ステマ規制)

広告であることを隠した表示は、令和5年10月1日から景品表示法違反です。消費者庁は、企業がインフルエンサー等に依頼・指示するものも広告に含まれ、規制の対象は広告主である事業者だと説明しています。(出典:消費者庁「ステルスマーケティングは景品表示法違反となります」)同じ消費者庁のQ&Aでは、個別の事情による判断としたうえで次の整理が示されています。(出典:消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」のQ6・Q8・Q14)

  • 口コミ投稿を条件に割引する場合、内容を指示しなければ通常は「事業者の表示」に当たらないと考えられる。「星5」や推奨コメントを条件にすると、「事業者の表示」に当たると考えられる
  • ハッシュタグ付きの感想投稿への景品キャンペーンは、具体的な感想まで指示しなければ通常は当たらないと考えられる。「#毎日食べたい美味しさ!」のような内容まで条件にすると当たると考えられる
  • 「広告」などの表示が本文でなくリプライだけの場合は、明瞭とはいえない場合が多いと考えられる

景品の提供には景品表示法の景品規制(限度額等あり)もかかります。金額の基準は消費者庁で確認してください。(出典:消費者庁「景品規制の概要」)個別の判断は専門家や窓口へ。キャンペーン設計はユーザー参加型キャンペーン設計も参考になります。

よくある失敗と対処

失敗例対処
最初から3〜4媒体に手を出して更新が止まる2媒体に絞り、余裕が出てから追加する
営業時間・定休日の更新を忘れ、休業日に来店されるGoogleビジネスプロフィールとプロフィール欄を同時に更新する
予約の入口がSNSごとにバラバラで二重予約になる受け口を1〜2か所に決め、各プロフィールから案内する
LINEを配信しすぎて無料枠を超え、ブロックされる全員向けは月の回数を決め、個別連絡はチャットで

よくある質問(Q&A)

Q. 1人営業で時間がありません。何から始めますか?
A. まずGoogleビジネスプロフィールの営業時間・電話番号を最新にし、LINEかInstagramを1つ選びます。新規のお客様に知ってほしいならInstagram、来店済みの方に再来店してほしいならLINEが目安です(当社が勧める一例)。

Q. LINE公式アカウントは無料で始められますか?
A. 月額0円のコミュニケーションプランがありますが、無料は月200通までで、超える配信にはプラン変更が必要です。友だち数×配信回数で必要な通数を先に計算しましょう。最新の料金は公式で確認してください。(出典:LINE公式アカウント 料金プラン)

Q. TikTokは小規模店に向いていますか?
A. 実演や仕込みなど動画にしやすい素材がある店は試す価値があります。ただ制作に時間がかかるため、2媒体が安定してからが現実的です。

まとめ

小規模店舗のSNS選びは、予約・来店までの道のりから逆算します。まず検索・地図やLINEの「入口」を整え、そこへ人を送る媒体を1つ選びましょう。地方ほどLINEの優先度が高い傾向もあります。お客様に投稿をお願いするときは、内容を指定しない、指定するなら広告と明示する、の2点を押さえてください。

最初の一歩は、今週レジ前で「当店をどこでお知りになりましたか」と聞いてみることです。

参考情報・出典