「LINEで顧客と直接つながりたい」「リピーターを増やしたい」と考えたとき、最初の壁は、アカウントをどう開設し、何から設定するかです。個人のLINEとは仕組みが違うため、開設の途中で戸惑う担当者は少なくありません。
この記事では、LINE公式アカウントの開設手順、認証済アカウントと未認証アカウントの違い、開設後の初期設定を、LINEヤフー for Businessの公式マニュアルで確認できた内容にもとづいて整理します。仕様や料金は変わるため、2026年10月4日時点で公式ページを確認できた範囲で書いています。
この記事の3行まとめ
① 開設はビジネスIDでの登録→アカウント情報の入力→ビジネスマネージャー組織との接続(2025年6月25日から必須)の流れ。開設時の料金プランはコミュニケーションプラン(月額0円・無料メッセージ200通)
② 認証済アカウントは審査(5〜10営業日)が必要だが、検索表示や友だち追加広告などを使える。申請後はアカウント名を変更できないので、先に名前を決める
③ 初期設定は、友だち登録→あいさつメッセージ・応答設定・プロフィール→テスト配信の順。これが終わってから友だち集めに進む
LINE公式アカウントとは?個人のLINEとの違い
LINE公式アカウントは、企業や店舗がLINE上でお客様に直接情報を発信できるビジネス用のサービスです。友だち追加してくれたお客様に、メッセージ配信、クーポン、リッチメニュー、チャットなどの機能を使えます。公式ページでは、LINEアプリの月間アクティブユーザーは1億人とされています(自社調べ、2026年3月末時点)。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント」)
個人のLINEと大きく違うのは、友だちの数に応じて配信の通数が数えられる点と、運用に管理画面(Web版または管理アプリ)を使う点です。
開設前に決めておくこと
開設の途中で止まらないよう、次の4点を先に決めておくと進めやすくなります。
- ログインに使う方法:ビジネスIDは「LINEアカウントで登録」か「メールアドレスで登録」を選べる。個人のLINEと紐づけたくない場合は、メールアドレスで登録する方法が案内されている
- 認証用の電話番号:登録後にSMSまたは電話で認証する
- ビジネスマネージャーの組織:2025年6月25日から、アカウント作成時にビジネスマネージャー組織との接続が必須。組織がなければ作成し、あれば既存の組織を選ぶ
- アカウント名:認証済アカウントの申請後は変更できない。店舗の正式名称を使うのが前提
(出典:公式マニュアル「LINE公式アカウントの開設」/公式「認証済アカウントとは」)
開設の手順|Web版管理画面での流れ
公式マニュアルに沿って、Webで開設する場合の流れを並べます。管理アプリから開設することもできます。
- 「LINE公式アカウントをはじめよう」のページで「LINE公式アカウントをはじめる」を選ぶ
- ビジネスIDでログインする(LINEアカウントまたはメールアドレスで登録)
- メールで登録する場合は、届いたリンクから氏名とパスワードを設定し、利用規約に同意。その後SMSまたは電話で認証する
- アカウント作成に必要な情報を入力し、利用規約に同意する。ビジネスマネージャー組織を作成または選択する
- 確認画面で内容を確認し、管理画面にログインできれば開設は完了
公式の「開設から運用開始までの流れ」は、開設後の手順を次の5段階で示しています。STEP1が開設、STEP2が自分のスマートフォンで友だち登録、STEP3がアカウントの基本設定(あいさつメッセージ・応答メッセージ・ビジネスプロフィール)、STEP4がメッセージを作成してテスト配信、STEP5が検索結果への表示(認証済アカウントのみ)です。(出典:公式マニュアル「開設から運用開始までの流れ」)
認証済アカウントと未認証アカウントの違い
LINE公式アカウントには、「未認証アカウント」と「認証済アカウント」があります。公式ページは、ビジネス・商用利用に向くのは認証済アカウントだと説明しています。認証済アカウントには緑色の認証バッジが付き、主に次のことができるようになります。
| できること | 内容(公式の説明) |
|---|---|
| LINEアプリ内の検索対象になる | 友だち検索結果に表示され、新たな友だち追加が見込める |
| 友だち追加広告を使える | 管理画面から出稿できる(一部の業種は利用不可) |
| 友だち集めのツール | 店舗用ポスターの無料ダウンロード、QRコード入りノベルティの購入 |
| 請求書決済・メンバーシップ | 請求書での支払い、サブスクリプション機能 |
(出典:公式「認証済アカウントとは」/公式「LINE公式アカウント料金プラン」)
申請の条件と注意点も押さえておきます。審査には5〜10営業日かかり、審査状況の問い合わせには対応していないと書かれています。申請中も未認証アカウントとして利用でき、認証済アカウントの申請・利用に料金はかかりません。申請後はアカウント名を変更できず、ベーシックIDとQRコードは変わりません。アカウント名は店舗の正式名称にし、申込者の氏名と同じ名前や個人を指す名前はNG例とされています。(出典:公式「認証済アカウントとは」)
料金の考え方|開設時の設定と通数の数え方
公式の料金ページによると、開設時はコミュニケーションプランに設定されており、ライトプランやスタンダードプランにするには開設後にプラン変更が必要です。2026年10月4日時点の月額固定費と無料メッセージ通数は、コミュニケーションプランが0円・200通、ライトプランが5,000円・5,000通、スタンダードプランが15,000円・30,000通です(税別)。追加メッセージを送れるのはスタンダードプランのみです。(出典:公式「LINE公式アカウント料金プラン」)
通数は「メッセージを送った回数×送った友だちの数」で数えます。あいさつメッセージ、応答メッセージ、LINEチャットの送受信は、カウントされない対象に挙げられています。月額料金の年払いはできず、支払いはクレジットカードです。請求書払いは認証済アカウントのみです。配信量とプランの関係はLINEメッセージ配信の最適化で詳しく扱っています。(出典:公式「LINE公式アカウント料金プラン」)
開設後の初期設定|この5つを先に整える
あいさつメッセージ
友だち追加されたときに自動で送るメッセージです。アカウントの紹介や、クーポンの案内に使えます。公式マニュアルでは、「はじめて友だち追加されたときだけ送る」設定ができ、ブロック解除時に同じ内容を送りたくない場合に使うとされています。保存後に送られるメッセージから変更が反映され、送信済みの内容は変わりません。管理アプリのマニュアルでは最大5吹き出しまで設定できます。応答設定であいさつメッセージを「オフ」にすると、保存していても配信されません。(出典:公式マニュアル「あいさつメッセージ」/公式マニュアル「応答設定」)
応答メッセージと応答設定
ユーザーからメッセージを受け取ったときの自動返信です。「キーワード応答」(設定したキーワードと完全一致したとき)と「一律応答」(内容を問わず返信)があり、期間を決めて使うこともできます。応答設定では、手動チャット、応答メッセージなどの応答方法を選びます。(出典:公式マニュアル「応答メッセージ」/公式マニュアル「応答設定」)
ビジネスプロフィール
企業や店舗の基本情報を載せるページで、Webにも公開されます(未認証は公開不可)。アカウント名、ステータスメッセージ、プロフィール画像、背景画像、営業時間、電話番号、住所などを設定します。プロフィール画像は640×640px、背景画像は200×200px以上・10MB未満で、2:1でトリミングします。アイコンとステータスメッセージの変更は、どちらも1時間に1回までです。(出典:公式マニュアル「ビジネスプロフィール」/LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント」)
リッチメニュー
トーク画面の下部に固定で表示されるメニューです。クーポンや外部サイト、予約ページへのリンクを置けます。画像サイズは大が2500×1686、小が2500×843です。URLやクーポンを設定する場合はアクションラベルが必須で、最大20文字です。反映までに時間がかかることがあります。(出典:公式マニュアル「リッチメニューを作成する」)
テスト配信
メッセージを作成したら、本番の前にテスト配信で見え方とリンクを確認します。自分のスマートフォンで友だち登録しておくと、実際の見え方を確認できます。(出典:公式マニュアル「開設から運用開始までの流れ」/公式マニュアル「メッセージ配信を作成する」)
開設時に気をつけたい法令とルール
あいさつメッセージのクーポンや割引の表示は、実際の条件と違えば、景品表示法の有利誤認表示にあたるおそれがあります。(出典:消費者庁「表示規制の概要」)また、チャットやアンケートで友だちの情報を取得する場合、個人情報保護法は、利用目的をできる限り特定すること(第17条)、取得したら速やかに利用目的を通知または公表すること(第21条)を求めています。(出典:e-Gov「個人情報保護法」)個別の判断は専門家や所管窓口にご確認ください。
よくある失敗と対処
| 失敗例 | 対処 |
|---|---|
| 認証済アカウントの申請後に名前を変えたくなる | 申請前に、店舗の正式名称で決める |
| あいさつメッセージを保存したのに届かない | 応答設定でオンになっているか確認する |
| プロフィールを空のまま友だち集めを始める | 営業時間・住所・紹介文を入れてから告知する |
| 配信したのに通数が足りないと気づく | コミュニケーションプランは200通。配信予定から必要な通数を計算する |
| テスト配信をしない | 自分のスマートフォンで見え方とリンクを確認する |
よくある質問(Q&A)
Q. 友だちがいない状態でも始められますか?
A. 始められます。開設後は、自分のスマートフォンで友だち登録して見え方を確認し、そのうえで友だち集めに進みます。集客施策はLINE公式アカウントの友だち増やし方で整理しています。
Q. 最初から認証済アカウントにすべきですか?
A. 必須ではありません。申請中も未認証アカウントとして使えます。ただし、検索表示や友だち追加広告を使いたい場合は認証済が必要です。アカウント名は申請後に変更できないので、名前を決めてから申請してください。(出典:公式「認証済アカウントとは」)
Q. 開設に費用はかかりますか?
A. 公式のFAQでは初期費用はかからないとされています。コミュニケーションプランは月額0円で始められますが、無料メッセージは月200通です。(出典:公式「LINE公式アカウント料金プラン」)
まとめ
LINE公式アカウントの開設は、ビジネスIDの登録、アカウント情報の入力、ビジネスマネージャー組織との接続で完了します。開設時はコミュニケーションプラン(月額0円・200通)で、認証済アカウントは審査を通ったあとに検索表示などを使えるようになります。
開設後は、あいさつメッセージ、応答設定、ビジネスプロフィール、リッチメニュー、テスト配信の順に整えましょう。そのうえで、配信先の分け方はLINE公式アカウントのセグメント配信、習い事教室での使い方は習い事教室のLINE公式活用を参考にしてください。

