飲食店のInstagramは、料理がおいしそうに見えるかだけでなく、「見た人がその日のうちに店を探し、予約できるか」で成果が変わります。写真がきれいでも、営業時間や予約方法が分からなければ、見た人は別の店に流れます。
この記事は、飲食店のInstagramの運用そのものに絞ります。プロフィール、投稿の型、リール・ストーリーズ・ハイライトの使い分け、ハッシュタグ、予約導線、インサイト、週次ルーティンの順に進めます。居酒屋の酒類広告は居酒屋のSNS集客、投稿特典やお客様の投稿の扱いは飲食店の口コミ・UGC施策、カフェの撮影はカフェのInstagram運用に詳しくあるため、ここでは要点だけにとどめます。Instagramの仕様は2026年10月に公式ヘルプで確認したもので、変更されることがあります。
この記事の3行まとめ
① プロフィールは「店名・ジャンル・エリア・営業時間・予約方法」を一目で分かる形にし、予約リンクを一番上に置く
② 投稿は型を決め、ストーリーズは「今日の情報」、ハイライトは「いつでも見てほしい情報」と使い分ける
③ 価格・限定表示・投稿特典には景品表示法などの注意点があり、迷う場合は所管窓口に確認する
プロフィールは「行く前に知りたい情報」を全部入れる
来店前の人が知りたいのは、店名、ジャンル、エリア、営業時間と定休日、予約の方法です(運用上の考え方)。自己紹介は150文字までなので、削る順番を決めます(出典:Instagramヘルプ「自己紹介」)。例:「【イタリアン】〇〇駅徒歩3分/ランチ11時〜・ディナー17時〜/定休日:水曜/ご予約は下のリンクから」。
リンクは5つまで追加でき、誰でも見られます(出典:Instagramヘルプ「プロフィールのウェブサイト」)。予約ページ、メニュー、テイクアウトの注文ページ、アクセスなどを、来店に近い順に並べます。
プロアカウントなら「連絡先」ボタンに道順・電話番号・メールアドレスを登録でき、所在地はFacebookページの住所とリンクすると48時間以内に地図に表示されて、投稿やストーリーズでタグ付けできます。プロアカウントは非公開にできません(出典:Instagramヘルプ「プロアカウント」、Instagramヘルプ「ビジネス情報の編集」)。
投稿の型:料理だけでなく、店の「今日」を見せる
| 型 | 中身の例 | 向く形式 |
|---|---|---|
| 看板メニュー | 一番見せたい料理を、寄りと引きで | 写真、カルーセル |
| つくる過程 | 盛り付け、焼き上がり、仕込みの様子 | リール |
| 季節・日替わり | 今日のランチ、期間限定メニュー | ストーリーズ、フィード |
| 店と人 | 店内の雰囲気、スタッフ、席の案内 | 写真、ストーリーズ |
| 来店のしかた | アクセス、予約方法、混雑しやすい時間帯 | カルーセル、固定投稿 |
料理写真は、自然光が入る席で撮る、真上と斜めの角度を試す、といった工夫が一般的ですが、正解は店の雰囲気によります(運用上の例)。カルーセルは最大20点まで入れられ、公開後に追加はできません。カルーセル内の動画はリールとして扱われません(出典:Instagramヘルプ「複数の写真・動画の投稿」)。メニュー表のように枚数が多いものは、完成させてから投稿します。
メニューや料金を載せる場合、事業者が消費者にあらかじめ表示する価格には、消費税額を含めた総額(税込価格)の表示が義務付けられており、媒体は問われません(出典:国税庁 No.6902「総額表示」)。同ページには、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率が引き下げられ、総額表示の特例が設けられる旨の案内もあるため、投稿の価格表記は都度確認してください。
リール・ストーリーズ・ハイライト・固定投稿の使い分け
| 機能 | 飲食店での役割(例) | 公式の仕様 |
|---|---|---|
| リール | 調理や盛り付けを見せ、まだ店を知らない人に届ける | 最大20分まで。3分超は新しいオーディエンスにはおすすめされない |
| ストーリーズ | 今日のランチ、残り席、臨時休業のお知らせ | ハイライトに追加しない限り24時間で消える |
| ハイライト | メニュー、アクセス、予約方法、営業時間の変更 | 削除しない限り、消えた後も表示される |
| 固定投稿 | 予約方法や看板メニューの紹介 | トップに最大3件まで固定できる |
(出典:Instagramヘルプ「リール動画を撮影する」、Instagramヘルプ「ストーリーズが表示される期間」、Instagramヘルプ「ハイライト」、Instagramヘルプ「投稿の固定」)
ストーリーズのスタンプ(リンクなど)には「日本とヨーロッパ諸国ではご利用いただけない場合があります」との注記があります(出典:Instagramヘルプ「スタンプ」)。「予約はプロフィールのリンクから」と文字で案内する形にしておくと、仕様の違いに左右されません。
ハッシュタグと位置情報で、近くの人に見つけてもらう
ハッシュタグは1投稿最大5個で、6個以上だとコメントが投稿されません(出典:Instagramヘルプ「ハッシュタグの使用」)。例:「#エリア名ランチ」「#エリア名ジャンル」を中心に、店名のタグを1個、季節のメニューを表すタグを1個加える形が考えられます。
お客様が店名をタグ付けした投稿は、初期設定では自分のプロフィールに自動で表示されます。「タグ付けを手動で承認」に切り替えると、承認した投稿だけが表示されます(出典:Instagramヘルプ「タグ付けの手動承認」)。お客様の投稿を紹介するときの許可の取り方は飲食店の口コミ・UGC施策を参照してください。
予約導線:見た人を「今日の予約」まで案内する
- 投稿やリールの最後に「ご予約はプロフィールのリンクから」と書く
- リンク先は、日時と人数を入れるだけで予約できるページにする
- アクションボタンやDMでの予約を受ける場合は、ルール(受付時間、返信の目安)をハイライトに書く
- 満席や臨時休業のときは、ストーリーズと固定投稿を更新する
アクションボタンは、表示できるのは1つだけで、段階的に導入されているため使えない場合があり、パートナーの既存アカウントが必要です(出典:Instagramヘルプ「アクションボタン」)。2026年10月4日に確認した一覧では、「予約する」の対応パートナーに「Gurunavi」などが、「注文する」には料理の注文向けのパートナーが案内され、対象国が限られる旨の記載もあります(出典:Instagramヘルプ「アクションボタンパートナー」)。自店で使えるかは、予約サービス側の案内で確認してください。
表示と投稿特典の注意(要点だけ)
- 実際より良く見せない:実際より著しく優良・有利に見せる表示は不当表示になり、根拠を示せない場合は不当表示とみなされることがあります(出典:消費者庁「表示規制の概要」)。
- 数量限定の表示:供給量が著しく限定されているのに内容を明りょうに書かない表示などは「おとり広告」に当たります(出典:消費者庁「おとり広告に関する表示」)。「限定10食」と書くなら、実際の数に合わせます。
- 投稿特典・インフルエンサー:ステルスマーケティングは令和5年10月1日から景品表示法違反で、SNS投稿も対象です(出典:消費者庁「ステルスマーケティング」)。口コミ投稿を条件とする割引は、内容の指示がなければ通常「事業者の表示」に当たらないとされますが、具体的な感想の記載などを条件にすると当たります(出典:消費者庁「ステマ告示Q&A」)。
- 酒類:営業者は二十歳未満の者の飲用に供することを知って酒類を販売・供与してはならず、年齢確認等の措置も定められています(出典:二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律)。酒類を扱う店が対価を払うクリエイターに依頼する場合、Instagramではアルコールが制限カテゴリーとして案内されています(出典:Instagramヘルプ「ブランドコンテンツポリシー」)。
インサイトの見方と週次ルーティン
インサイトは公開アカウントなら無料で、過去90日以内の期間を選んで見られます。閲覧数、閲覧者、インタラクションなどを確認できます(出典:Instagramヘルプ「インサイトについて」)。飲食店では、来店に近い反応を見ます。ストーリーズではリンクのタップやプロフィールのアクティビティ(プロフィールへのアクセス、ウェブサイトクリックなど)(出典:Instagramヘルプ「ストーリーズのインサイト」)、リールでは「平均再生時間」と「フォロー数」です(出典:Instagramヘルプ「リールのインサイト」)。
来店との関係は、「何を見て来店されましたか」と予約時や会計時に聞くことで補えます(例)。ヘルプには日本向けのビジネスメッセージ関連の一部指標が使えない旨の注記があるので、画面に出る指標を使います。詳しくはインサイトの読み方と改善法を参照してください。
| 曜日 | やること(例) | 見る数字 |
|---|---|---|
| 月(定休日の店は定休日) | 先週の反応を振り返り、今週の限定メニューを決める | 閲覧者、リンクのタップ |
| 火〜木 | 仕込みや盛り付けの撮影、フィード投稿またはリール | リールの平均再生時間 |
| 金・土 | ストーリーズで当日の空き席とランチを案内 | プロフィールのアクティビティ |
| 日 | 予約のDM対応を確認し、ハイライトの営業時間を更新 | 予約数 |
よくある失敗
- 営業時間や定休日の変更を、プロフィールに反映していない
- ハッシュタグを6個以上つけて、コメントが投稿されていない
- 料理写真が実物と大きく違う、数量限定の表示に実際の数が合っていない
- 投稿特典の条件に、感想の内容まで指定してしまう
よくある質問
Q. 「投稿してくれたらドリンクサービス」はよいですか?
A. 感想の内容を指示せず、投稿を促す程度であれば、消費者庁のQ&Aでは通常「事業者の表示」に当たらないとされています。ただし、具体的な感想や星の数まで条件にすると当たります(出典:消費者庁「ステマ告示Q&A」)。詳細は飲食店の口コミ・UGC施策を参照してください。
Q. 料理写真はスマホでも十分ですか?
A. 機材の差よりも、光の入り方、角度、皿の周りの整理のほうが影響しやすいと考えられます(運用上の例)。まずはスマホで、同じ席・同じ角度で撮りましょう。
Q. Instagramから直接予約を受けられますか?
A. アクションボタンの対応パートナーを使う方法と、プロフィールのリンクから予約サービスへ案内する方法があります。アクションボタンは使えない場合もあるため、まずはリンクを軸にするのが現実的です(出典:Instagramヘルプ「アクションボタン」)。
まとめ
飲食店のInstagramは、行く前の情報をプロフィールにそろえ、型を決めて投稿し、ストーリーズとハイライトで「今日」と「いつでも」を分け、予約リンクへ案内するのが基本です。価格や限定表示、投稿特典は表示ルールを確認しながら運用してください。まず今週、営業時間と予約リンクを見直しましょう。
参考情報・出典
- Instagramヘルプ「自己紹介」
- Instagramヘルプ「プロフィールのウェブサイト」
- Instagramヘルプ「プロアカウント」
- Instagramヘルプ「ビジネス情報の編集」
- Instagramヘルプ「複数の写真・動画の投稿」
- Instagramヘルプ「リール動画を撮影する」
- Instagramヘルプ「ストーリーズが表示される期間」
- Instagramヘルプ「ハイライト」
- Instagramヘルプ「投稿の固定」
- Instagramヘルプ「スタンプ」
- Instagramヘルプ「ハッシュタグの使用」
- Instagramヘルプ「タグ付けの手動承認」
- Instagramヘルプ「アクションボタン」
- Instagramヘルプ「アクションボタンパートナー」
- Instagramヘルプ「インサイトについて」
- Instagramヘルプ「ストーリーズのインサイト」
- Instagramヘルプ「リールのインサイト」
- Instagramヘルプ「ブランドコンテンツポリシー」
- 国税庁 No.6902「総額表示」
- 消費者庁「表示規制の概要」
- 消費者庁「おとり広告に関する表示」
- 消費者庁「ステルスマーケティング」
- 消費者庁「ステマ告示Q&A」
- 二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律

