リポスト活用術

リポスト活用術のアイキャッチ画像

お客様が自社の商品を投稿してくれた。そんなとき、「うちのアカウントでも紹介したい」と考えるのは自然です。Instagramには、他の人の投稿を自分のアカウントで紹介する方法が複数あります。2025年8月には、公開アカウントの投稿を再投稿できる公式機能も発表されました。

ここで大切なのは、「機能として共有できること」と「自社の発信として使ってよいこと」は別だという点です。この記事では、2026年10月時点で公式に確認できた再投稿・ストーリーズ共有の仕様と、他人の投稿を使うときの許諾・著作権の考え方、許諾の取り方を整理します。運用のコツは「例」と明記します。

この記事の3行まとめ

① 公式の「再投稿」とストーリーズへの共有は、元の投稿者が許可している公開投稿が対象。広告や制作物への利用を認める許諾とは、ヘルプに書かれていない
② 画像を保存して自分の投稿として載せ直すのは、公式機能ではなく、著作権の許諾が必要になる使い方
③ 自社アカウントで紹介する前に、使う場所・期間・加工・クレジットを伝えて許可をもらい、回答を記録しておく

「リポスト」の3つのやり方と違い

やり方内容許諾の考え方
再投稿(公式)公開リール・投稿の[再投稿]をタップ。自分のフォロワーに表示され、プロフィールの専用タブにも並ぶ元の投稿者が再投稿を許可している場合のみ可能。機能の範囲を超える使い方は別途確認
ストーリーズに追加(公式)フィード投稿を自分のストーリーズにシェア。元の投稿者が分かる相手が公開アカウントで、再シェアを許可している場合のみ可能
保存して投稿し直す(非公式)画像や動画を保存し、自分の投稿として載せる公式機能ではない。原則として権利者の許諾が必要

(出典:Instagramヘルプ「リール動画や投稿を再投稿する」、Instagramヘルプ「他の人の投稿をストーリーズにシェアする」、文化庁「著作権について知っておきたい大切なこと」)

公式の「再投稿」機能:確認できた仕様

Metaは2025年8月6日(米国時間)に、公開アカウントがシェアしたリール動画やフィード投稿を再投稿できる機能を発表しました。再投稿したコンテンツは、友達やフォロワーのフィードにおすすめとして表示され、自分のプロフィールの専用タブにも並びます。自分のコンテンツが再投稿されると、その人のフォロワーにもおすすめされる可能性があります。(出典:Meta「再投稿ができる機能など新機能」(2025年8月))

Instagramヘルプで確認できた内容は次のとおりです。

  • 再投稿できるのは、Instagramで公開されているリール動画や投稿です。
  • 元の投稿者がコンテンツの再投稿を許可している場合のみ再投稿できます。
  • 再投稿できるのは元の投稿者が投稿したコンテンツのみで、再投稿の再投稿はできません。
  • 再投稿にテキスト(短いノート)を添えられます。
  • 再投稿へのコメントは、再投稿した人へのダイレクトメッセージとして届きます。
  • 自分のコンテンツの再投稿を許可するかは、[設定]の[シェアと再利用]で選べます。

(出典:Instagramヘルプ「リール動画や投稿を再投稿する」)このページには「この機能はご利用いただけない場合があります」とあるため、自社のアプリで[再投稿]が表示されるかを確認してください。

自社の投稿が再投稿される側になることもあります。お客様やパートナーに紹介してもらいやすくしたい場合は、前述の設定で再投稿を許可しておく方法があります。ただし、許可すると誰でも再投稿できるため、ブランドの方針に合うか検討してください(運用上の考え方の例)。

ストーリーズへの共有:元の投稿者は分かるが、利用許諾の説明はない

公式ヘルプによると、他の人の投稿をフィードから自分のストーリーズにシェアできるのは、相手がアカウントを公開していて、さらに投稿の再シェアを許可している場合のみです。シェアしたストーリーズを見た人は、元のコンテンツを投稿した人を確認したり、元のアカウントを表示したりできます。再シェアを許可していると、シェアされたコンテンツが検索エンジンの結果に表示される場合もあるとされています。(出典:Instagramヘルプ「他の人の投稿をストーリーズにシェアする」)

これは「Instagramの機能の範囲で共有する」仕組みです。同じ画像を保存して自社のフィードに載せたり、広告や自社サイトで使ったりする場合は、この機能の外の話になります。ストーリーズの使い方全般はストーリーズ活用完全マニュアルを参照してください。

他人の投稿を再利用するときの許諾・著作権

Instagramの利用規約では、利用者がコンテンツの権利を保持し、Instagramにライセンスを付与する仕組みと説明されています。このライセンスの相手はInstagramであり、第三者の企業への許諾は確認した範囲では書かれていません。また、利用者は、自分が投稿またはシェアするコンテンツについて必要なすべての権利を保有または取得済みであることを表明するものとされています。(出典:Instagram利用規約)

Instagramヘルプは、第三者のコンテンツを投稿すると、次のような場合でも著作権侵害になることがあると説明しています。

  • 著作権所有者へのクレジットを付けた場合
  • 著作権を侵害する意図はないという免責条項を付けた場合
  • 使用により利益を得る意図がなかった場合
  • 著作物を変更したり、独自の部分を追加したりした場合
  • インターネットで取得できるコンテンツを見つけた場合

そのうえで、一般的には、投稿前に著作者から書面での許可を得ることが推奨されています。(出典:Instagramヘルプ「著作権法に違反していないことを確かめる方法」)文化庁も、SNSへの投稿は「一般への公開」であり、学校や家庭内の例外ルールは通用せず、原則として他人の作品をネットにアップするには権利者の許可(許諾)が必要だと説明しています。「ネットに落ちている画像は自由に使ってよい」というのは誤解で、自動公衆送信や送信可能化にあたり著作権侵害となる可能性があるとされています。(出典:文化庁「著作権について知っておきたい大切なこと」、文化庁「著作権、これってOK?NG?」)

法律上は、著作者が公衆送信(送信可能化を含む)を行う権利を専有し(著作権法第23条)、許諾を得た人は、許諾に係る利用方法と条件の範囲内で著作物を利用できます(第63条)。(出典:著作権法)つまり、許可をもらうときは、どう使うか(方法・範囲・期間)を具体的に伝えることが重要です。個別の判断は専門家(弁護士など)に確認してください。

お客様の声を紹介する場合の表示にも注意が必要です。消費者庁のQ&Aでは、事業者が自社サイトで第三者の表示を、恣意的に抽出せず変更も加えずそのまま引用する場合は「事業者の表示」に当たらない一方、好意的なものだけを選んで引用する場合は当たるとされています。(出典:消費者庁「ステマQ&A」)SNSでの紹介にそのまま当てはまるかは個別の判断になりますが、都合のよい投稿だけを選ぶ運用は、表示の面でも慎重に検討してください。

許諾の取り方:確認する項目と文面の例

文化庁の解説では、許諾(了解を得ること)は権利者と契約を交わすことであり、口頭でも契約は成立するとされています。一方で、後々のトラブルを防ぐために、利用する著作物を特定したうえで、利用目的、使途などを確認し、文書で残しておくことが重要とされています。(出典:文化庁「著作権制度の解説」(令和8年度版))DMでのやり取りを保存しておくのは、その一つの方法です(運用の例)。

確認する項目伝える内容の例
対象対象の投稿のURL、写っている商品
使う場所自社のストーリーズ/フィード/広告/自社サイト/印刷物(広告やサイトは別に許可をもらう)
期間いつまで掲載するか、削除の依頼を受けたらどうするか
加工トリミングや文字入れをするか(しないか)
クレジット「@アカウント名」を添える、など表示の方法
連絡先撤回・削除を希望する場合の連絡方法

文面の例です。「素敵な投稿をありがとうございます。この投稿(URL)を、当店の公式ストーリーズとフィードで紹介してもよろしいでしょうか。画像は加工せず、@アカウント名を添えて掲載します。掲載を希望されない場合や、後から削除をご希望の場合は、このDMにご連絡ください。」

返信は、スクリーンショットなどで日付とともに保存しておきましょう。写っている他の人がいる場合は、その人への配慮も必要です。文化庁の解説(コスプレの設例)でも、他の人を同意なく撮影・掲載すると肖像権などのトラブルにつながるおそれがあるとされています。(出典:文化庁「著作権、これってOK?NG?」)参加型の企画と組み合わせる場合はユーザー参加型キャンペーン設計、お客様の投稿を集める導線はUGCを集める施策設計を参考にしてください。

なお、相手と共同で投稿を作るなら、コラボ投稿も選べます(コラボ投稿(共同作成)の使い方)。

リポスト運用のよくある失敗

失敗例対処
保存した画像を無断で自社の投稿に載せる公式のストーリーズ共有か、許諾を得てから掲載する
「クレジットを付ければ大丈夫」と考えるクレジットを付けても侵害になりうるため、事前に許可を得る
許可を取った範囲を超えて広告に使う広告・サイトなど使う場所を最初に伝え、別に許可を得る
都合のよい投稿だけを選んでお客様の声にする選び方の基準を決め、引用時に変更を加えない
許可の記録を残さないDMの返信を日付とともに保存する

よくある質問(Q&A)

Q. お客様の投稿を、許可なくストーリーズでシェアしてもよいですか?
A. 公式のストーリーズ共有は、相手が公開アカウントで再シェアを許可している場合のみ可能です。その範囲の機能の利用であれば、投稿者が分かる形でシェアされます。ただし、画像を保存して別の場所で使うことや広告での利用は別の話なので、事前に許可を得ましょう。(出典:Instagramヘルプ「他の人の投稿をストーリーズにシェアする」)

Q. 許可は口頭やDMの返信だけでもよいですか?
A. 文化庁の解説では、口頭でも契約は成立するとされています。ただし、トラブル防止のため、利用目的や使途などを確認して文書に残すことが重要とされています。DMのやり取りを保存し、必要に応じて契約書を作成してください。(出典:文化庁「著作権制度の解説」(令和8年度版))

Q. 自分の投稿を再投稿されたくないときは?
A. [設定]の[シェアと再利用]から、投稿とリール動画の再投稿を許可するかどうかを選べます。ストーリーズでのシェアも同じ画面で切り替えられます。(出典:Instagramヘルプ「リール動画や投稿を再投稿する」、Instagramヘルプ「他の人の投稿をストーリーズにシェアする」)

まとめ

リポストには、公式の再投稿、ストーリーズへの共有、保存して載せ直す方法の3つがあり、許諾の考え方が異なります。公式機能は元の投稿者が許可している公開投稿が対象で、広告などへの利用許諾については書かれていません。使う場所・期間・加工・クレジットを伝えて許可をもらい、記録を残してから紹介しましょう。

まず、紹介したい投稿の投稿者へ、上の文面例でDMを送ってみてください。

参考情報・出典