Instagramで商品を見つけた人が、そのまま購入ページへ進める。ショップと商品タグは、そんな導線をつくる機能です。ただし仕組みは大きく変わりました。以前は「アプリ内で決済まで完結する」使い方が説明されていましたが、Metaの公式ヘルプによると、2025年9月からFacebookとInstagramのショップはウェブサイトでのチェックアウトを使っています。古い解説どおりでは準備がずれます。
この記事では、2026年10月時点でMeta・Instagramの公式ヘルプを読んで確認できた現行の仕様に絞り、ショップと商品タグで売上につなげる設計と、自社サイトで販売するうえで避けられない通販の表示(特定商取引法・景品表示法)を整理します。運用のコツは「例」と明記しています。画面や条件は変わるため、操作前に最新のヘルプも確認してください。
この記事の3行まとめ
① 2025年9月から、ショップの購入手続きは自社サイト。Instagram上の決済や注文管理の機能は終了しているため、「アプリ内で完結」を前提にしない
② 商品タグは、リール・ストーリーズ・画像・動画の投稿に付けられる。商品タグ付き広告や投稿の宣伝にショップは必須でない
③ 販売の責任は自社サイトにある。特定商取引法の表示(価格・送料・返品など)と、誇大な表現を避けることを先に整える
2026年10月時点の現行仕様:終了したことと、使えること
| 項目 | 現行の記載(公式ヘルプ) |
|---|---|
| 購入手続き(チェックアウト) | 2025年9月より、ショップはウェブサイトでのチェックアウトを使用。購入手続きは自社サイトで行われる |
| 決済・注文管理・受信箱 | ショップの支払い処理は停止され、FacebookとInstagramのショップ上では取引を行えない。移行後の注文管理、コマースマネージャでの返品管理、チャージバック等のサービス、受信箱での顧客メッセージへの返信も利用できなくなった |
| 商品の発見・検討 | ホームページ、コレクション、商品ページなどは引き続き利用できる |
| 商品タグ付き広告・投稿の宣伝 | 商品タグ付きの広告の作成や、商品タグ付きの投稿の宣伝に、ショップは必須ではない |
| 日本での提供状況 | ショップとショップ広告の全機能のオープンベータ版が提供されている国に日本が含まれる。販売者によっては一部の機能を利用できない場合がある |
(出典:Metaビジネスヘルプ「ショップでのチェックアウトの変更について」、Metaビジネスヘルプ「FacebookとInstagramのショップについて」、Metaビジネスヘルプ「ショップでサポートされている国」)Instagramヘルプには更新前の記述が残る記事もあるため、迷ったときは自社の画面表示を優先して確認しましょう。広告の基本設定はInstagram広告の始め方|少額予算で成果を出す設定と運用のコツで解説しています。
ショップの設定に必要なもの
ショップはコマースマネージャで作成します。確認できた準備物は次のとおりです。
| 準備するもの | 公式ヘルプの記載 |
|---|---|
| コマースマネージャのアカウント | ショップはコマースマネージャで作成する。作成時にFacebookビジネスページやカタログを作ることもできる |
| Instagramビジネスアカウント・審査 | ビジネスポートフォリオにInstagramビジネスアカウントが必要(Instagramのみで販売なら、Facebookビジネスページの作成は不要)。審査には最大4週間かかる場合がある |
| 配送プロフィール | 国や州、配送時間(少なくとも1つ)などを設定する |
| チェックアウトURL | 顧客をショップから自社サイトの購入手続きへ誘導するURL。ショップを表示するには追加が必要 |
(出典:Metaビジネスヘルプ「ショップを設定する」)アカウントの設定はプロアカウントの設定と機能完全ガイドを参照してください。
チェックアウトURLが必要なので、購入できるウェブページがないとショップの表示は始められません。サイトの準備が先です。
商品タグの使い方:付けられる場所と手順
商品タグ(ショッピングタグ)を使うと、カタログの商品を紹介し、顧客を商品の購入に誘導できます。リール、ストーリーズ、画像、動画の投稿に追加できます。(出典:Instagramヘルプ「ショッピングタグについて」)フィード投稿での手順は次のとおりです。
- [作成]をタップして[投稿]を選ぶ
- 写真または動画を選んで次へ進む
- [その他のオプション]から[商品をタグ付け]をタップする
- 写真内の商品をタップし、商品名を検索して選ぶ
- [完了]をタップして[シェア]する
(出典:Instagramヘルプ「投稿にショッピングタグを追加する」)数と条件で確認できた点は次のとおりです。
- 写真のフィード投稿1件につき、最大20点の商品とショップをタグ付けできる。カルーセル投稿は、中のすべてのメディアの合計で20個までです。(出典:Instagramヘルプ「投稿にショッピングタグを追加する」)
- キャプションやプロフィールに、商品へのメンションやハイパーリンクを追加することはできなくなった。(出典:Instagramヘルプ「ショッピングタグについて」)
- サードパーティのプラットフォーム経由では、フィード投稿のみ商品タグを付けられ、ストーリーズ、リール、メンションでは付けられない。(出典:Instagramヘルプ「ショッピングタグについて」)
- 商品タグを付ける利用者の条件(年齢、アカウントの稼働状況、ポリシー違反の回数)は、二つのヘルプ記事で記載が異なります。細かい条件は、画面の表示と最新のヘルプで確認してください。
他の利用者による自社商品のタグ付けは、全員に許可するか、承認済みのブランドコンテンツパートナーのみに許可するかを選べます。(出典:Instagramヘルプ「ショッピングタグについて」)お客様の投稿の活用はUGCを集める施策設計をご覧ください。
通販として必要な表示:特定商取引法と景品表示法
購入手続きが自社サイトである以上、通販のルールを守る責任は自社にあります。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、インターネット上のホームページなどの広告を見て申し込む取引も「通信販売」に当たり、個人でも、営利の意思で反復継続して取引すれば「販売業者」になります。(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」)
広告に表示する主な事項
同ガイドが示す主な表示事項です(一部抜粋。全体は出典で確認してください)。
| 表示事項 | ポイント |
|---|---|
| 販売価格・送料 | 送料が価格に含まれない場合は送料も表示 |
| 代金の支払時期・方法、商品の引渡時期 | 前払い・後払い、決済手段、いつ届くのか |
| 申込みの撤回・解除(返品) | 返品特約がある場合はその内容(返品の可否、期間、送料負担など) |
| 事業者の氏名(名称)・住所・電話番号 | 法人でインターネット広告をする場合は、代表者または責任者の氏名も |
請求により書面等を遅滞なく提供する旨を表示すれば一部を省略できる仕組みもありますが、返品に関する事項などは省略できません。(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」)SNSの投稿文にすべてを並べるのは難しいため、自社サイトに表記ページを置き、商品ページと最終確認画面の表示をそろえるのが実務上の一例です。迷う場合は専門家に確認してください。
最終確認画面・返品・誇大広告
- インターネット通販の申込みの最終確認画面には、商品の分量、販売価格(送料を含む)、代金の支払時期・方法、引渡時期、申込期間、申込みの撤回・解除に関する事項(返品特約を含む)を表示すること、申込みになると誤認させる表示をしないことが定められています。(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」、e-Gov「特定商取引法」第12条の6)
- 通信販売では、商品の引渡しを受けた日から数えて8日以内であれば、消費者は契約の申込みの撤回や解除ができ、返品の送料は消費者負担となります。ただし、広告で返品特約をあらかじめ表示していれば、その特約によります。(出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」、特定商取引法第15条の3)
- 景品表示法第5条は、商品の品質などを実際より著しく優良と示す表示(第1号)や、価格などの取引条件を実際より著しく有利と誤認させる表示(第2号)を禁止しています。(出典:景品表示法)
キャプションでも根拠のない断定は避け、価格や期間は自社サイトの表記と一致させましょう。個別の判断は専門家や消費者庁に確認してください。
効果測定:Metaの購入指標は使えない前提で設計する
公式ヘルプによると、チェックアウトの更新後は、Metaでの購入とそのコンバージョン値の指標は利用できず、0と表示されます。更新日から最大39か月間は、過去の履歴データを確認できます。ショップ起点の購入をたどるには、「ウェブサイト購入」「ショップが寄与した購入」「ウェブサイトでの直接購入」などの指標を使い、Googleアナリティクスなどのサードパーティのレポートツールをリンクすることも検討するよう案内されています。(出典:Metaビジネスヘルプ「ショップでのチェックアウトの変更について」)
売上の正本は自社サイトの注文データです。Instagram側の数字と自社サイトの流入・購入を同じ期間で並べて見ましょう。見方はSNS効果測定の方法|各プラットフォームのインサイト読み方と活用法も参考になります。
ショップ運用のよくある失敗
| 失敗例 | 対処 |
|---|---|
| 古い解説どおりに「アプリ内決済」を前提に準備する | チェックアウトは自社サイト。購入ページ・チェックアウトURLの準備から始める |
| 通販サイトの表記ページがない | 事業者名・住所・電話番号・返品条件などを整え、最終確認画面の表示も確認 |
| 誇大な表現を使う | 価格・数量・効果は自社サイトの表記と一致させる |
よくある質問(Q&A)
Q. Instagramの中で決済まで完結できますか?
A. いいえ。公式ヘルプでは、2025年9月からショップはウェブサイトでのチェックアウトを使用し、ショップ上の支払い処理は停止されたと説明されています。(出典:Metaビジネスヘルプ「ショップでのチェックアウトの変更について」)
Q. ショップがないと、商品タグ付きの広告や投稿の宣伝はできませんか?
A. ショップは必須ではないと公式ヘルプに書かれています。ただし、広告で商品をタグ付けするには、条件を満たすカタログが必要です。(出典:Metaビジネスヘルプ「FacebookとInstagramのショップについて」、Instagramヘルプ「Instagramショッピングについて」、Instagramヘルプ「投稿にショッピングタグを追加する」)
Q. 実店舗のみで、通販サイトがなくても使えますか?
A. ショップを表示するにはチェックアウトURLの追加が必要と案内されています。購入できるウェブページがない場合は、ショップの設定が難しい可能性があります。来店促進は、プロフィールの連絡先など別の導線を検討してください。(出典:Metaビジネスヘルプ「ショップを設定する」)
まとめ
Instagramのショップと商品タグは、2025年9月から「購入は自社サイト」という仕組みになりました。売上につなげるには、購入できるページと通販の表示を先に整え、商品タグ付きの投稿で見つけてもらい、自社サイトのデータで成果を確認する流れが基本です。
まず、自社サイトの商品ページに価格・送料・返品条件・事業者情報がそろっているかを点検してみてください。

