教室ビジネスのSNS集客

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ピアノ、英会話、学習塾、スポーツ、料理、ヨガなどの教室では、体験レッスンへの申込みが入会の入り口になります。入会を考える人は、申し込む前にSNSや地図上の情報で先生や雰囲気を確かめることが多いと考えられます(一般的な傾向)。SNSは、その不安に答える場所として使えます。

この記事では、媒体の使い分け、保護者に届く投稿ネタ、体験申込みへの導線に加え、子どもの写真の扱い、合格実績や料金の表示ルール、口コミの扱いを、公式の資料で確認できた範囲でまとめました。仕様や法令は変わるため、最新の内容は出典の公式ページで確認してください。

この記事の3行まとめ

① 教室のSNSは「知る→安心する→体験に申し込む」を支える道具。見つけてもらう場所と申込みを受ける場所を1つずつ決めて始める
② 子どもの写真や成果は、利用目的を示して保護者の同意を取る仕組みを先に整える
③ 合格実績・料金・口コミは、表示ルールに沿い、根拠を残して発信する

教室のSNS集客の全体像

段階保護者・本人の疑問発信の例媒体の例
知る近くにどんな教室がある?教室紹介、レッスン風景Instagram、Googleビジネスプロフィール
安心する先生は? 雰囲気は? 費用は?先生紹介、1回の流れ、よくある質問Instagram、YouTube、ホームページ
体験に申し込むどう申し込む? 何を持っていく?体験の案内、空き状況LINE公式アカウント、プロフィールのリンク
入会後連絡や行事は?お知らせ、行事の案内LINE公式アカウント

上の整理は運用上の例です。最初から全部の媒体を動かさず、続けられる範囲で始めましょう。

媒体の使い分け:Instagram・LINE・Googleビジネスプロフィール・YouTube

公式ヘルプで原文を確認できた、教室に関係する仕様を整理します。

Instagram:教室の雰囲気を伝える

Instagramヘルプでは、ビジネスアカウントは小売店、ローカルビジネス、ブランド、組織、サービスプロバイダーに向くとされています。プロアカウントでは「連絡先」ボタン(道順・電話・メールを登録可)やインサイトが使えます。一方、プロアカウントは非公開にできません。(出典:Instagramヘルプ)生徒の写真は、誰でも見られる前提で同意の取り方を決めましょう。詳細は教室・スクールのInstagram集客をご覧ください。

LINE公式アカウント:体験申込みと連絡の窓口

管理画面の「友だち追加ガイド」では、友だち追加のURLやQRコードを発行できます。(出典:LINE公式マニュアル(友だち追加))予約は、予約サービスと連携済みのアカウントで「LINEで予約」を使え、フォームへのリンクをメッセージやリッチメニューに置けます。(出典:LINE公式マニュアル(予約))友だちの分析では、追加数・ブロック数・追加経路を確認できます。(出典:LINE公式マニュアル(分析))詳細は習い事教室のLINE公式活用で解説しています。

Googleビジネスプロフィール:地図検索で見つけてもらう

「地域名+教室の種類」で探す人に場所や雰囲気を伝える入口になります(一般的な使い方)。ヘルプで確認できた注意点は次のとおりです。

  • ビジネス名:実際の名称を使う。宣伝文句(タグライン)やサービス情報を含めると停止される場合がある。「体験受付中」は説明や投稿に書く
  • 住所:掲載する住所には、ビジネス名の掲示を常設する必要がある。自宅教室で住所を出さない場合の扱いは、ヘルプの「非店舗型ビジネス」の項を確認する
  • 営業時間:レッスンなど日ごとに活動が決まる場合や完全予約制では、営業時間を指定しないよう記載がある。自教室が当てはまるか確認する

投稿には「最新情報」「特典」「イベント」があり、期間未設定の投稿は6か月でアーカイブされます。体験会などの告知に使えます。(出典:Googleヘルプ(掲載ガイドライン)、Googleヘルプ(投稿))

YouTube:動きや音が伝わる教室に

ダンスや楽器など、動きや音で伝わる教室に向くと考えられます(一般論)。YouTubeヘルプでは、子ども向けコンテンツを作っていなくても、動画やチャンネルの「子ども向けかどうか」の視聴者設定が必要とされています。(出典:YouTubeヘルプ)

保護者に届く投稿ネタと伝え方

子ども向けの教室では、申込みを決めるのは保護者です。「先生は信頼できるか」「通い続けられるか」という不安に答える発信が土台になります(運用上の考え方)。

投稿ネタ内容の例注意点
授業風景練習の流れ、教室の様子、手元や後ろ姿写る生徒の同意を確認。名前や学校名は写さない
生徒の成果発表会、検定・コンクールの結果、作品本人・保護者の同意。実績表示は景品表示法の対象になり得る
先生紹介経歴、指導方針、人柄が伝わる一言経歴・資格は事実のとおりに
年間行事発表会、試合、体験会の予告と振り返り日程・費用・定員は正確に
よくある質問振替、持ち物、月謝の支払い方法、見学の可否費用は総額が分かるように
  • 費用は、入会金・月謝・教材費を同じ場所で確認できるようにする
  • 「残りわずか」など緊急性を示す言葉は、実際の空き状況に沿って使う
  • 投稿頻度に公式の正解はない。続けられる頻度(例:週1〜2回)から始める

体験申込みにつなげる導線のつくり方

  1. プロフィールとGoogleビジネスプロフィールに、体験申込みの入口(LINEの友だち追加URLや申込みフォーム)を1つに絞って置く
  2. 体験の案内に、対象年齢、所要時間、料金の有無、持ち物、当日の流れを載せる
  3. 申込み直後に、日時と持ち物の案内が届くようにする
  4. 体験後にお礼と入会案内を送り、決めきれない人にはよくある質問を案内する

体験後に入会金や教材費の案内がある場合は、費用の総額を申込み前に示しておきましょう(運用の例)。

生徒・子どもの写真と個人情報の扱い

個人情報保護委員会の中小企業向け資料では、個人情報は「生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別することができるもの」で、氏名や顔写真も例に挙げられています。基本ルールとして、利用目的を特定して通知または公表すること、安全に管理すること、第三者に提供する場合はあらかじめ本人の同意を得ることが示されています。(出典:個人情報保護委員会 中小企業向け資料)

子どもについては、同委員会のQ&Aに、個別に判断されるものの、一般的には12歳から15歳までの年齢以下の子どもは、法定代理人等から同意を得る必要があると考えられる、と書かれています。(出典:個人情報保護委員会 Q&A)習い事の生徒は未成年が中心なので、運用としては次のようにしておくと安心です(例)。

  • 入会申込書で、写真・動画の使い道(教室内の掲示、ホームページ、SNS、チラシ)を分け、保護者がチェックして署名する
  • 撤回の連絡先を決め、撤回後・退会後は新しい掲載をやめる
  • 氏名は載せない、または名前のみにする。学校名・制服・位置情報の写り込みに注意する
  • 写真の保管端末は担当者を限定し、パスワードを設定する

SNS公開が法令上どう位置づけられるか、書面での同意が必要かといった個別の判断は、個人情報保護委員会の相談窓口や専門家に確認してください。上記の資料は平成29年6月公表のため、最新の内容は公式サイトで確認してください。

表示のルール:景品表示法・特定商取引法・口コミ

景品表示法:合格実績・料金

消費者庁の説明では、景品表示法は、品質などを実際より著しく優良に見せる「優良誤認表示」と、価格などの取引条件を実際より著しく有利に誤認させる「有利誤認表示」を禁止しています。効果に関する表示は、求められた根拠資料を示せないと不当表示とみなされる仕組み(不実証広告規制)もあります。(出典:消費者庁(表示規制))誤って表示した場合も、優良誤認に該当すれば規制の対象です。(出典:消費者庁(優良誤認))

  • 合格実績・成績向上・「地域No.1」など:対象の範囲、年度、集計方法を決め、根拠を残して条件を明記する(運用上の考え方)
  • 料金・体験・入会金:追加費用や適用条件を同じ場所に書く(同上)

令和5年3月2日には、消費者庁が個別指導塾の事業者に、自社サイトの料金比較表が有利誤認表示にあたるとして措置命令を出しました。比較対象の他社の月謝が、同等の条件で提供されているものではなかったことなどが示されています。(出典:消費者庁 措置命令(令和5年))

特定商取引法:語学教室・学習塾は対象になり得る

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、長期・継続的な役務と高額の対価を約する「特定継続的役務提供」として、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つが対象とされています。(出典:消費者庁 特商法ガイド)

語学教室(英会話など)と学習塾は、期間が2か月を超え、金額が5万円を超えることが要件です。金額は入会金・受講料・教材費・関連商品の販売などを含む契約金の総額で見るとされ、チケット制や会員権制も基本的に対象です。(出典:消費者庁 特商法ガイド、消費者庁 特商法ガイドQ&A、e-Gov 特商法施行令)対象になると、契約前後の書面の交付(法第42条)、誇大広告等の禁止(法第43条)、8日以内のクーリング・オフなどの規制がかかります。(出典:消費者庁 特商法ガイド)

ピアノ、スポーツ、ヨガ、料理などは、このガイドの7つの一覧には挙がっていません。ただし、役務の定義(学習塾なら入学試験対策や学校教育の補習など)や契約の実態で判断される部分があるため、自教室が対象かは消費者庁の窓口や専門家に確認してください。

口コミ・体験談とステルスマーケティング規制

令和5年10月1日から、広告であることを隠す「ステルスマーケティング」が景品表示法違反となり、規制の対象は事業者(広告主)です。SNS投稿やレビュー投稿も含まれます。(出典:消費者庁(ステマ規制))消費者庁のQ&Aでは、次の考え方が示されています。(出典:消費者庁(ステマQ&A))

  • 口コミ投稿を条件とした割引は、内容の指示がなければ通常「事業者の表示」にあたらない。ただし「星5」を条件にするとあたると考えられる
  • アンケート回答を「お客様の声」に載せるとき、無作為に選んでそのまま引用するならあたらない。好意的なものだけを選ぶと、あたると考えられる
  • 従業員の個人SNSの投稿は、それだけで直ちに違反とはされないが、立場や担当業務によっては「事業者の表示」にあたる場合がある
  • 明瞭に示す方法として、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」などの表記が挙げられている

ステマ規制とは別に、Googleのクチコミは、実体験に基づくことが前提で、割引などと引き換えの依頼や、肯定的なクチコミだけを募ることが禁止と示されています。(出典:Googleヘルプ(禁止コンテンツ))保護者の声は、都合のよいものだけを選ばないようにします(運用上の例)。

年間カレンダー例

時期は教室ごとに異なります。以下は一般的な流れを想定した例(目安)です。

時期教室で起こりやすいこと(例)投稿・施策の例
3〜4月新年度の入会体験会の案内、先生紹介、空き状況
5〜6月生徒が慣れてくる上達の過程(同意済み)、連絡方法の紹介
7〜8月夏休み短期講座・体験の告知、行事の振り返り
9〜12月発表会の準備と本番、年末発表会の予告と振り返り、休講案内
1〜2月新年度の準備新年度の募集告知、体験会の予約開始

運用体制と効果の見方

  • 「投稿する人」と「公開前に確認する人」を分ける(1人ならチェックリストで確認)。確認項目は、写真の同意、名前・学校名の写り込み、料金や実績の表記、日程
見る数字見る場所使い方
投稿ごとの反応Instagramのインサイト関心が集まった話題を見る
友だち追加数・ブロック数・追加経路LINE公式の「友だち」分析どの入口が多いかを見る
体験申込み数・入会した割合申込みフォームやLINEの記録(教室で集計)申込み時に「何を見て知ったか」を聞き、入会数÷体験数を計算する(例)

「この数字を超えれば成功」という公式の基準はありません。自教室の過去の数字と比べ、件数が少ない教室は3か月程度でまとめて見るのが現実的です。

よくある失敗と対処

失敗例対処
同意を取らずに生徒の写真を載せる入会時に利用目的を分けて同意を取り、撤回の連絡先を決める
合格実績の根拠が残っていない集計の範囲・年度・方法を記録し、条件を表示に添える
料金の説明が分かれて載っている入会金・月謝・教材費などを1か所にまとめる
投稿はあるが申込みの入口がないプロフィールに申込みの入口を1つ置く
都合のよい口コミだけを載せる無作為に引用するか、「PR」などと明示する

よくある質問(Q&A)

Q. 写真を載せるのに、書面での同意は必須ですか?
A. 個人情報保護委員会の資料では、利用目的の通知または公表が基本ルールで、子どもについては法定代理人等から同意を得る必要があると考えられる、と示されています。ここで参照した資料では、同意の形式を一律に定めた記載は確認していません。後で確認できるよう、申込書のチェック欄などで記録を残すと安全です。個別の判断は相談窓口や専門家に確認してください。(出典:個人情報保護委員会 中小企業向け資料、個人情報保護委員会 Q&A)

Q. どの媒体から始めるのがよいですか?
A. 公式の基準はありません。一般的には、「見つけてもらう場所」と「申込みを受ける場所」を1つずつ決めると、負担を抑えられます。学習塾は学習塾のSNS活用、英会話スクールは英会話スクールのInstagramも参考にしてください。

Q. 先生が個人のSNSで教室を紹介してもよいですか?
A. 消費者庁のQ&Aでは、それだけで直ちに違反とはされないものの、立場や担当業務によっては事業者の表示にあたる場合があるとされています。「PR」などと明示するルールを決めておくと安心です。(出典:消費者庁(ステマQ&A))

まとめ

教室のSNS集客は、「知る→安心する→体験に申し込む」の流れを意識し、見つけてもらう場所と申込みを受ける場所を決めることから始まります。保護者の不安に答える投稿を、続けられる頻度で積み重ねましょう。子どもの写真は同意を取り、合格実績・料金・口コミは根拠を残して発信することが信頼につながります。

まずは、入会申込書の写真・動画の同意欄の見直しと、体験申込みの入口を1つに決めることから始めましょう。

参考情報・出典