ピアノ、英会話、学習塾、スポーツ、ヨガなどの習い事教室では、体験の申込み、欠席や振替の連絡、月謝や行事のお知らせ、保護者からの質問と、毎日のようにやり取りが発生します。電話やメールだけでは返信が追いつかず、連絡の見落としも起きがちです。そこで、保護者や生徒が日常的に使っているLINE公式アカウントを連絡の窓口にする教室が増えています。
この記事では、教室がLINE公式アカウントで何ができるのかを機能ごとに整理したうえで、友だち追加の導線づくり、リッチメニューの設計、体験申込から入会・継続までの流れ、保護者との連絡の考え方、子どもの個人情報や特典表示の注意点までを、運用担当者がそのまま使える形で解説します。料金や通数などの数字は変わることがあるため、本文では仕組みの考え方を中心にし、最新の金額や上限は公式の案内で確認する前提にしています。
この記事の3行まとめ
① LINE公式は「体験申込・連絡・お知らせ」を1か所にまとめる窓口。SNSは認知、LINEは申込みと継続、と役割を分ける
② 友だち追加の入口(QR・URL・ボタン)を、SNS・教室の掲示・申込み完了後の3か所に用意し、追加直後のあいさつメッセージで次の行動を示す
③ 子どもの情報や写真を扱うため、利用目的の明示と保護者の同意を最初に整える
習い事教室でLINE公式アカウントが向いている理由
LINE公式アカウントは、友だち追加したユーザーにメッセージを配信できるほか、ユーザーからの問い合わせにチャットで答えたり、トーク画面の下部に常時表示されるメニュー(リッチメニュー)を置いたりできる仕組みです。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「LINE公式アカウントの機能」)
習い事教室にとっての利点は、保護者と教室の連絡手段を日常使いのアプリに集約できることです。実際にLINEヤフーの公式事例ページには、学習塾が「メールやプリント連絡」をLINE公式アカウントでの通知に切り替えたところ、連絡の漏れがほとんどなくなり手間も省けた、という声が紹介されています。同じページでは、別の学習塾が生徒へのきめ細かなフォローで退塾率の低下につなげたという事例も掲載されています。ただし、これらは個別の教室の事例であり、同じ結果を保証するものではありません。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 教育・習い事業界の活用事例」)
SNSとLINEの役割分担
InstagramやXなどのSNSは、まだ教室を知らない人に見つけてもらう「認知・興味づけ」に向いています。一方、LINEは、友だち追加してくれた人との「申込み・連絡・継続」に向いています。この使い分けは運用上の一般的な考え方(例)であり、公式が定める決まりではありません。SNS集客の全体像は教室ビジネスのSNS集客で整理しています。
教室で使うLINE公式の機能と使いどころ
公式マニュアルに載っている機能のうち、教室運営で使いやすいものを用途別にまとめました。
| 機能 | できること(公式マニュアルの記載に基づく) | 教室での使い方の例 |
|---|---|---|
| メッセージ配信 | 友だちに一斉にメッセージを送る。予約配信も可能 | 発表会・行事の案内、スケジュール変更のお知らせ |
| チャット | ユーザーからの問い合わせに個別に返信できる。定型文の送信にも対応 | 欠席・振替の連絡、体験前の質問への回答 |
| 応答メッセージ | 一律応答、またはキーワードに一致したときの自動返信を設定できる | 「料金」「場所」「体験」などの質問への自動案内 |
| あいさつメッセージ | 友だち追加されたときに自動で送られる | 教室の紹介、体験申込みへの案内 |
| リッチメニュー | トーク画面の下部に常時表示。URLやクーポンなどを設定できる | 体験申込み、欠席連絡、アクセス、よくある質問への入口 |
| ステップ配信 | 友だち追加などをきっかけに、決めた内容・タイミングで自動配信 | 体験後のフォロー、入会後の近況確認 |
| リサーチ | アンケートや投票を実施できる | 体験後の感想、希望曜日・時間帯の調査 |
(出典:LINE公式アカウント マニュアル「LINE公式アカウントの機能」、LINE公式アカウント マニュアル「メッセージ配信を作成する」、LINE公式アカウント マニュアル「チャット」、LINE公式アカウント マニュアル「応答メッセージ」、LINE公式アカウント マニュアル「あいさつメッセージ」、LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニュー」、LINE公式アカウント マニュアル「ステップ配信」、LINE公式アカウント マニュアル「リサーチ」)
すべてを最初から使う必要はありません。まずは「あいさつメッセージ」「リッチメニュー」「チャット」の3つを整え、慣れてから自動応答やステップ配信を足していくのが現実的です。
料金プランと「通数」の考え方
LINE公式アカウントの料金は、月額の固定費と、月に送れるメッセージの通数(無料分)で決まるプラン制です。公式の料金ページには、月額の固定費がかからないコミュニケーションプランのほか、ライトプラン、スタンダードプランの3種類が案内されています。金額・無料通数・追加通数の扱いは各プランで異なり、変更されることもあるため、最新の内容は必ず公式の料金ページで確認してください。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」)
教室の運営でとくに押さえたいのは、通数の数え方です。公式の料金ページによると、通数は「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」で数えられ、1回の配信に入れられるのは最大3吹き出しまでです。一方で、チャットの送受信や自動応答メッセージなどは通数の対象外(無料)と案内されています。配信のうち、絞り込み配信やステップ配信も通数の対象に含まれます。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」)
たとえば、友だちが100人の教室が月に4回の一斉配信をすると、単純計算で100人×4回=400通になります(あくまで計算例です)。友だちが増えるほど、同じ配信回数でも通数は増えます。そのため、全員に送る配信は回数を絞り、個別の連絡はチャットで行うという分け方が、通数の面でも保護者の負担の面でも無理がありません。
友だち追加の導線をつくる
LINE公式アカウントは、友だちが増えなければ配信も自動応答も意味を持ちません。管理画面の「友だち追加ガイド」では、次のものを作成・入手できます。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「友だち追加ガイド」)
- 友だち追加のQRコード(印刷物などに使える)
- 友だち追加のURL(SNSやメールで共有できる)
- 友だち追加ボタン(ブログやホームページなどに設置するためのコード)
- ポスター(無償)。認証済みアカウント向けに、有償のノベルティも用意されています
これらを、教室の「見つかる場所」「申し込む場所」「通っている場所」の3か所に置くのが基本です。
| 置き場所 | 具体例 | ポイント |
|---|---|---|
| SNS・Webサイト | Instagram・Xのプロフィール、教室のホームページ、ブログ | 「体験の詳細・空き状況はLINEで」と一言添え、友だち追加URLかボタンへ誘導する |
| 教室の掲示・配布物 | 入口のポスター、チラシ、体験申込書、月のお便り | QRコードの横に「何が届くか」(連絡・お知らせ・体験申込み)を書く |
| 申込み後の画面・メール | 体験申込フォームの完了画面、申込み確認メール | 申込み直後は関心が高いため、友だち追加の案内を入れる |
また、友だち追加の経路は「友だちの分析」で確認できます。どの入口から追加が多いかを見て、効果の薄い入口は文言や置き場所を見直しましょう。なお、属性情報は概ね3日前の数値と案内されているため、最新の状況とは差が出ることがあります。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「友だちの分析」)
友だちを増やす施策そのものは、LINE公式アカウントの友だち増やし方でも詳しく紹介しています。
あいさつメッセージと自動応答の設計
あいさつメッセージ:最初の1通で次の行動を示す
あいさつメッセージは、友だち追加されたときに自動で送られるメッセージです。公式マニュアルでは、最大5吹き出しまで設定でき、はじめて友だち追加されたときだけ送る設定もできると案内されています。ブロックを解除した人に何度も同じ案内が届かないようにしたいときに役立ちます。また、友だちの表示名を差し込む機能がありますが、表示名を含むメッセージは、一部のユーザーには送られないことがあると注意書きがあります。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「あいさつメッセージ」)
内容の例(目安)は次のとおりです。
- 教室名と、ここで届く情報(連絡・お知らせ・体験の案内)
- 初めての方は「体験レッスンの申込み」へ(リッチメニューを案内)
- すでに通っている方は「お名前(生徒名)と曜日」をチャットで送ってほしい、という案内
- よくある質問は、メニューから見られること
応答メッセージ:キーワードで自動返信
応答メッセージには、どんなメッセージにも返信する「一律応答」と、設定したキーワードに完全一致したときだけ返信する「キーワード応答」があります。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「応答メッセージ」)完全一致のため、「体験」「料金」「場所」のように、保護者が打ちそうな短い言葉を想定して登録します。同じ意味でも言い回しが違うと反応しないので、リッチメニューにボタンを置いて、文字入力に頼らない導線も併用すると安心です。
また、応答設定では、チャットを使う場合に「応答時間内」と「応答時間外」で返信の方法を分けられます。時間外には自動応答を使う、といった組み合わせです。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「応答設定」)レッスンが多い夕方に返信できないときは、「確認して◯時までにお返事します」と自動で伝えるだけでも、保護者の不安は減ります。
リッチメニューの設計
リッチメニューは、トーク画面の下部に出る大きなメニューで、教室の「受付カウンター」のような役割を持ちます。公式マニュアルでは、メニューの各エリアに設定できる動作として、URL、クーポン、テキスト、アクションなしが挙げられています。ボタンのラベルは最大20文字で、すべてのエリアを「アクションなし」にはできません。画像のサイズはテンプレートごとに決まっているので、作成画面で確認してください。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニュー」)
教室向けのボタン構成例
ボタンは多すぎると選べなくなります。次のように、目的が重ならない4〜6個に絞るのが目安です(例)。
| ボタン | リンク先・動作 | 主な利用者 |
|---|---|---|
| 体験レッスンの申込み | 申込みフォームまたは予約ページ(URL) | 見込み客 |
| 欠席・振替の連絡 | 連絡用フォーム、または「欠席連絡」のテキスト送信 | 在籍中の保護者 |
| 月謝・行事のご案内 | お知らせをまとめたページ(URL) | 在籍中の保護者 |
| よくある質問 | FAQページ、または自動応答のキーワード送信 | 全員 |
| アクセス・時間割 | 教室のページ(URL) | 全員 |
| SNS・ホームページ | InstagramやWebサイトのURL | 見込み客 |
なお、公式マニュアルには「ユーザーの連打を誘発するような内容はお控えください」という記載があります。タップを煽る文言や、無関係な特典の乱用は避けましょう。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニュー」)
反応の確認
リッチメニューの分析では、表示された回数・ユーザー数、クリック(タップ)された回数・ユーザー数、エリアごとの反応を確認できます。ただし、指定期間にクリックした人が20人未満のときは数値が表示されず、数値は推定値で実際との差が出る場合がある、と案内されています。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニューの分析」)小規模な教室は、数値が出ない期間があっても慌てず、期間を長めに取って傾向を見ましょう。数字が見えにくいときは、チャットで届く問い合わせの内容から、足りないボタンを探すのも有効です。
体験申込から入会・継続までの流れをつくる
習い事教室では、「体験→入会→継続」の流れをLINEの中で完結させると、保護者の手間が減ります。基本の流れは次のとおりです(例)。
- SNSやホームページ、チラシから友だち追加
- あいさつメッセージで、体験の案内とリッチメニューの使い方を伝える
- リッチメニューの「体験レッスンの申込み」から申込みフォームへ
- 体験の前日にリマインド、体験後にお礼とアンケートを送る
- 入会後の連絡は、お知らせ(一斉配信)と、欠席・振替など(チャット)に分けて運用する
予約・申込みの受け付け
LINEの中で予約を受け付けたい場合、公式にはオプション機能として「LINEで予約」があります。公式マニュアルによると、この機能は予約サービスとの連携が完了しているLINE公式アカウントで利用でき、メッセージ・リッチメニュー・チャット・プロフィールのボタンなどから予約フォームへ誘導できます。連携が解除されると、予約機能は使えなくなります。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「LINEで予約」)連携できる予約サービスや対応業種は変わるため、利用前に公式で確認してください。連携しない場合でも、リッチメニューのボタンからGoogleフォームなどの申込みフォームに移動する形で、体験申込みは受け付けられます。
ステップ配信でフォローを自動化する
ステップ配信は、友だち追加などをきっかけに、あらかじめ決めた内容・タイミングで自動配信する機能です。待ち時間を日単位で設定でき、年齢や地域などの属性で分岐させることもできます。ただし、配信したメッセージは通数の対象としてカウントされ、ブロックされると配信は止まります。通数の上限を超えると、ステップ配信が止まる点にも注意が必要です。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「ステップ配信」)
- 友だち追加の翌日:体験の案内と、よくある質問へのリンク
- 体験の前日の確認(日時・持ち物・場所)は、ステップ配信では申込み日を判別できないため、チャットや予約配信で個別に送る運用が現実的
- 体験の数日後:お礼と、入会案内・アンケートへの誘導
- 入会後しばらくしてから:近況確認と、困りごとを聞く一言
「入会1か月後に近況確認を送る」といった運用は、元々多くの教室で使われているやり方です。効果は教室ごとに異なるため、反応を見ながら文面とタイミングを調整してください。
欠席連絡・月謝・行事のお知らせと保護者とのやり取り
欠席・振替の連絡はチャットで
チャットは、ユーザーからのメッセージを受け取ってからやり取りできる機能で、使うには設定でオンにしておく必要があります。作成済みの定型文を送れるため、「欠席の連絡ありがとうございます。振替はこちらから選べます」のような返信をテンプレート化しておくと、返信の抜けや書き方のばらつきを減らせます。また、チャットには、最初にメッセージを送信したメンバーが担当者として設定される仕組みがあります。複数の先生で対応するときは、誰が返信するかの決め方を事前に決めておきましょう。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「チャット」)
月謝・行事のお知らせは、配信の目的を分ける
一斉配信は、保護者全員に同じ内容が届くため、目的を分けて設計します(例)。
| 種類 | 例 | 頻度の考え方(目安) |
|---|---|---|
| 緊急連絡 | 休講、天候による変更、振替 | 必要なときだけ。普段のお知らせと分ける |
| 定期のお知らせ | 月謝の案内、月間予定 | 月に1回など、決まった時期に |
| 行事の案内 | 発表会、試合、合宿、体験会 | 開催前に数回。申込みの締切を明記 |
| 販促・特典 | 兄弟割、紹介特典、期間限定の案内 | 控えめに。在籍者に負担感を与えない |
配信頻度に「この回数が正解」という公式の基準はありません。通数は「回数×友だち数」で増えますし、多すぎる配信はブロックにつながるおそれがあります。ブロック数は「友だちの分析」で確認できるため、配信を増やしたり内容を変えたりした前後で、ブロック数の変化を見ながら調整しましょう。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」、LINE公式アカウント マニュアル「友だちの分析」)
月謝の金額や口座など、他の保護者に見せたくない個別の情報は、一斉配信ではなく、個別のチャットで送るか、別の安全な方法を使うのが安全です。配信先を絞る場合は、年齢層・性別・地域などの属性やオーディエンスで絞り込めますが、公式マニュアルには、絞り込み配信にはターゲットリーチ数が一定数以上(100人以上)必要という記載があります。小規模な教室では、絞り込み配信が使えないことがあるため、「クラスごとの連絡」は、アカウントを分ける、チャットで対応するなど、別の方法も検討してください。(出典:LINE公式アカウント マニュアル「メッセージ配信を作成する」)セグメント配信の基本はLINE公式アカウントのセグメント配信で解説しています。
子どもの個人情報・特典表示で気をつけること
子どもの情報・写真は「利用目的」と「同意」を整える
習い事教室では、生徒の氏名、学校、生年月日、顔写真など、子どもの個人情報を扱います。個人情報保護委員会の中小企業向け資料では、個人情報は「生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの」で、氏名や顔写真も含まれると説明されています。(出典:個人情報保護委員会「はじめての個人情報保護法 ~シンプルレッスン~(中小企業向け)」(2017年6月))
同じ資料には、事業者が守る基本ルールとして、次のものが挙げられています。
- 取得・利用:利用目的を特定し、その範囲内で利用する。利用目的は通知または公表する(申込書への記載や、ホームページ・事業所での掲示などの方法が例として示されています)
- 保管:漏えいが生じないよう安全に管理する。従業者や委託先にも徹底する(パスワードの設定、施錠できる場所での保管、従業者への教育などが例として示されています)
- 提供:第三者に提供する場合は、あらかじめ本人の同意を得る
- 開示請求等への対応:本人から開示などの請求があれば対応し、苦情にも適切に対応する
(出典:個人情報保護委員会「はじめての個人情報保護法 ~シンプルレッスン~(中小企業向け)」(2017年6月))
さらに、子どもの同意については、個人情報保護委員会のQ&Aに、対象となる情報の項目や事業の性質等によって個別に判断されるものの、一般的には12歳から15歳までの年齢以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要があると考えられる、と書かれています。(出典:個人情報保護委員会 Q&A「何歳以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要がありますか」)習い事の生徒は未成年者が中心ですので、申込書の段階で、保護者に利用目的を伝え、同意を得る流れにしておくのが基本です。
実務では、次の点を決めておくと安心です(例)。
- 申込書に「連絡のためにLINEで氏名(生徒名)を扱うこと」「教室の紹介などに写真や動画を使う場合はその範囲」を明記し、保護者の署名やチェックで同意をとる
- 発表会などの写真を配信するときは、写っている子どもの保護者に事前に確認する
- LINE公式の管理を担当するスマホやパソコンは、使う人を限定し、パスワードを設定する
- 生徒の名前や成績など、他の保護者に見せたくない情報は、一斉配信に書かない
個別のケースで法的に問題がないかの判断は、個人情報保護委員会の相談窓口や専門家に確認してください。なお、上記の資料は2017年6月に公表されたものです。法改正などで内容が更新されることがあるため、最新の情報は個人情報保護委員会の公式サイトで確認してください。
体験・入会特典の表示(景品表示法)
「体験無料」「入会金半額」「合格実績◯名」などの表示は、景品表示法の対象になり得ます。消費者庁の説明では、実際より著しく優良だと示す表示を「優良誤認表示」、価格などの取引条件を実際より著しく有利だと誤認させる表示を「有利誤認表示」として禁止しています。また、表示の裏付けとなる合理的な根拠の資料を求められ、提出できない場合は不当な表示とみなされる仕組み(不実証広告規制)もあります。(出典:消費者庁「不当表示の禁止(優良誤認表示・有利誤認表示)」)
「兄弟割」や「お友達紹介特典」のようにものや金品などを提供する場合は、景品類の規制にあたるかどうかも確認が必要です。消費者庁のページでは、景品類は、顧客を誘引する手段として、自己の商品・サービスの取引に付随して提供する、物品、金銭その他の経済上の利益であると説明されています。懸賞や総付(もれなく提供)の景品類には、それぞれ上限が定められています。具体的な金額の基準は消費者庁のページで確認してください。(出典:消費者庁「景品類の制限及び禁止」)
なお、メールやSMSを併用して案内する場合は、特定電子メール法のルールも確認が必要です。総務省の説明では、あらかじめ同意した者以外への送信を禁止する、オプトイン方式の規制が採られています。LINE公式アカウントでの配信が同法の対象かどうかについては、この総務省のページには記載が見当たらなかったため、メールやSMSで案内するときは、事前同意の取り方を整理しておいてください。(出典:総務省「特定電子メール法」)
よくある失敗と対処
| 失敗例 | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 友だち追加の入口がSNSだけ | すでに通っている保護者が追加されず、連絡が分散する | 教室の掲示・申込書・お便りにもQRコードを載せる |
| 配信を増やしすぎる | 通数が増え、ブロックされやすくなる | 目的別に回数を決め、緊急連絡以外は頻度を抑える |
| リッチメニューのボタンが多すぎる | 迷って押されず、問い合わせが減らない | 目的が重ならない4〜6個に絞る |
| 自動応答のキーワードが細かすぎる | 完全一致しないため反応しない | よく聞かれる質問はボタンにも置く |
| 個人情報の取り扱いを決めていない | 写真や氏名の扱いでトラブルになる | 申込書で利用目的を示し、保護者の同意をとる |
| 担当者が決まっていない | 返信漏れや二重返信が起きる | 担当と返信時間の目安を、先生同士で共有する |
よくある質問(Q&A)
Q. LINE公式アカウントの料金はどのくらいですか?
A. 固定費のかからないコミュニケーションプランを含む3つのプランが案内されていますが、金額や無料の通数は変わることがあります。最新の内容は公式の料金ページで確認してください。通数は「配信回数×友だち数」で数えられ、チャットの送受信や自動応答は対象外と案内されています。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」)
Q. InstagramとLINEはどちらを優先すべきですか?
A. 役割が異なります。Instagramなどは新しい人に見つけてもらう場、LINEは申込み・連絡・継続の場として使い分けるのが一般的な考え方です。両方を使う場合は、SNSのプロフィールやキャプションからLINEの友だち追加URLへ誘導します。教室向けのInstagramの運用は教室・スクールのInstagram集客を参考にしてください。
Q. きょうだいで通っている場合、誰の連絡かどう見分けますか?
A. LINE公式のチャットでは、メッセージの相手はLINEのアカウント単位で見えます。きょうだいで通う場合や、保護者が複数人で見る場合は、最初のあいさつで「お子さまのお名前と曜日」を送ってもらい、教室側のメモ(管理表など)で紐づける運用にすると混乱しにくくなります。これは運用上の一例で、公式の標準機能ではありません。
Q. 生徒の写真をLINEで配信してもよいですか?
A. 顔写真は個人情報にあたるため、利用目的を明示し、特に子どもについては保護者の同意を得ることが基本です。個人情報保護委員会は、12歳から15歳までの年齢以下の子どもは法定代理人等から同意を得る必要があると考えられるとしています。申込書で写真の使い道(連絡用の配信、SNS掲載など)を分けて確認しておくと、後で問題になりにくくなります。(出典:個人情報保護委員会 Q&A「何歳以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要がありますか」)
まとめ
習い事教室のLINE公式アカウントは、体験の申込みから、入会後の連絡、行事のお知らせまでを、保護者が普段使うアプリの中でまとめる仕組みです。まずは友だち追加の入口を3か所に用意し、あいさつメッセージとリッチメニューで「次に何をすればよいか」を示しましょう。そのうえで、一斉配信は目的別に回数を決め、個別の連絡はチャットで対応します。子どもの個人情報や特典の表示は、申込書の段階で整えておくと安心です。
最初の一歩として、今週中に「友だち追加のQRコードを作り、教室の入口とお便りに載せる」ところから始めてみてください。料金や機能の最新の内容は、公式の案内を確認しながら進めましょう。
参考情報・出典
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」
- LINE公式アカウント マニュアル「LINE公式アカウントの機能」
- LINE公式アカウント マニュアル「メッセージ配信を作成する」
- LINE公式アカウント マニュアル「チャット」
- LINE公式アカウント マニュアル「応答メッセージ」
- LINE公式アカウント マニュアル「応答設定」
- LINE公式アカウント マニュアル「あいさつメッセージ」
- LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニュー」
- LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニューの分析」
- LINE公式アカウント マニュアル「ステップ配信」
- LINE公式アカウント マニュアル「友だち追加ガイド」
- LINE公式アカウント マニュアル「友だちの分析」
- LINE公式アカウント マニュアル「LINEで予約」
- LINE公式アカウント マニュアル「リサーチ」
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 教育・習い事業界の活用事例」
- 個人情報保護委員会「はじめての個人情報保護法 ~シンプルレッスン~(中小企業向け)」(2017年6月)
- 個人情報保護委員会 Q&A「何歳以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要がありますか」
- 消費者庁「不当表示の禁止(優良誤認表示・有利誤認表示)」
- 消費者庁「景品類の制限及び禁止」
- 総務省「特定電子メール法」

