美容師のInstagram集客術

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技術には自信があるのに指名が増えない。独立や業務委託で働き方を変え、集客も自分で担うことになった。美容師個人のInstagramは、「どんなスタイルが得意な人か」を見せるポートフォリオになります。一方、個人のアカウントは、サロンとの取り決めや法令の確認が曖昧になりがちです。

この記事は、美容師個人のアカウントに絞って、プロフィールと検索、スタイル写真の撮り方、ハッシュタグ、独立・業務委託のときに確認したいこと、サロンの規定やSNSポリシーの作り方をまとめます。予約導線や料金表示などサロン全体の設計は美容サロンSNS完全ガイド、お客様の投稿の扱いは美容系SNSのUGC設計で扱っています。公式の原文で確認できた範囲だけを書き、個別の判断は保健所・専門家へご確認ください。

この記事の3行まとめ

① 検索で見つけてもらうには、名前・プロフィール・キャプションに「得意な施術とエリア」を入れる。ハッシュタグは1投稿に最大5個
② 独立・業務委託では、美容所の届出、出張の制限、取引条件の明示、アカウントの帰属を先に確認する
③ SNSポリシーは1枚でよい。表示の確認者、写真の同意、顧客情報、退職時の扱いを決めておく

プロフィールと検索:得意な施術とエリアを入れる

Instagramの公式ブログ(2021年8月)によると、検索結果のランキングで最も重要なのは検索に使われたテキストで、ユーザーネーム、自己紹介、キャプション、ハッシュタグ、場所と照合されます。人気度のシグナル(クリック数、いいね数など)は、候補が大量にある場合に考慮されます。また、検索で見つけてもらうには、キーワードとハッシュタグをコメントではなくキャプションに入れることが推奨されています。(出典:Instagram公式ブログ「Instagram検索の詳しい仕組み」(2021年8月25日))

  • 名前:お客様が呼ぶ名前を、ユーザーネームやプロフィール名に入れる(公式ブログの推奨)
  • 自己紹介:担当者名、得意な施術、エリア、所属サロン名、予約方法を並べる(運用上の例)
  • キャプション:施術名や髪の悩みなどのキーワードを、本文に書く

独立していて、所属サロンとは別の場所で施術する場合は、所在地や予約先を所属サロンと取り違えないよう明記しましょう。美容師法は、美容師でなければ美容を業としてはならず、美容師は原則として美容所以外で美容の業をしてはならないと定めています。(出典:e-Gov法令検索「美容師法」)予約リンクの設定は美容サロンSNS完全ガイドへ。

スタイル写真の撮り方:Instagramの仕様に合わせる

Instagramのヘルプでは、幅320〜1080ピクセルの写真は、アスペクト比が1.91:1〜3:4の範囲であれば元の解像度で保持され、範囲外はトリミングされると説明されています。(出典:Instagramヘルプ「Instagramでシェアする写真の画像解像度」)リールは、アスペクト比1.91:1〜9:16、30FPS以上、720ピクセル以上でアップロードでき、カバー写真の推奨は420×654ピクセル(約1:1.55)です。(出典:Instagramヘルプ「Instagramリールのサイズとアスペクト比」)縦長で撮るなら、3:4の範囲に髪の先まで収めると切れにくくなります。

撮り方の項目内容の例(運用上の工夫)
アングル正面・横・後ろの3方向を基本にする。得意な施術の特徴が見える向きを優先する
光と背景同じ場所・同じ光で撮ると、並べたときに統一感が出る
加工髪色や質感を変えるほどの加工は避ける(効果の見え方を変えるため。詳しくはエステサロンのSNS集客)
写り込みお客様が写るときは掲載の同意を取る(美容サロンSNS完全ガイド)

髪や頭皮の効果表現に注意する

ヘア関連の表現は、薬機法の対象になりえます。薬機法66条は、化粧品、医薬部外品、医療機器などの効能・効果について、明示でも暗示でも虚偽・誇大な広告を、何人にも禁じています。(出典:e-Gov法令検索「薬機法」)厚生労働省の解説では、化粧品の効能として広告できる範囲に、「毛髪にはり、こしを与える」「毛髪をしなやかにする」「毛髪につやを与える」「裂毛、切毛、枝毛を防ぐ」などが挙げられています。育毛や発毛促進、薄毛は、医薬部外品の育毛剤の効能として別に整理されています。(出典:厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」)

「髪が生える」「薄毛が治る」などの言い回しや、薬剤の区分と承認された効能を超える表現は避け、メニュー名も範囲内か、不明な点は保健所などに確認してください。

ハッシュタグ:1投稿に最大5個

Instagramのヘルプでは、1つの投稿に使えるハッシュタグは最大5個で、6個以上のタグを含めるとコメントが投稿されないと説明されています。公開アカウントの投稿だけが、対応するハッシュタグページに表示されます。(出典:Instagramヘルプ「Instagramでハッシュタグを使用する」)以前よく言われた「10〜20個」は、現在のヘルプには当てはまりません。

  • 地域×施術:エリア名と施術名を組み合わせたタグ1〜2個(例:エリア名+縮毛矯正)
  • 得意なスタイル:スタイル名や髪質のタグ1〜2個
  • 自分の名前・サロン名:指名で探されたときのためのタグ1個

独立・業務委託で先に確認したいこと

面貸しや業務委託など契約の形で、届出をする人や責任の範囲が変わることがあります。SNSの撮影・投稿を業務に含めるなら、報酬と作業範囲を契約に書き、迷う点は保健所や専門家に確認しましょう。

アカウントの帰属と、写真・動画の権利

Instagramの利用規約は、自分のアカウント(ユーザー名を含む)の一部を売買または譲渡しようとする試みを禁止しています。(出典:Instagramヘルプ「利用規約」)そのため、「退職時にアカウントごと引き継ぐ」前提の取り決めは避け、個人アカウントとサロン公式アカウントを分けたうえで、退職時はプロフィールやストーリーズでお客様に案内する方法を決めておくと、トラブルを減らせます。

法人等の発意で、業務に従事する者が職務上作成し、法人等の名義で公表する著作物は、契約や勤務規則に別段の定めがなければ法人等が著作者となります(著作権法15条)。(出典:e-Gov法令検索「著作権法」)撮影した写真の帰属や使える範囲は、契約書に書いておきましょう。

サロンの規定・SNSポリシーの作り方

消費者庁の指針は、景品表示法の不当表示を防ぐため、事業者が講ずべき措置として、考え方の周知、法令遵守の方針の明確化、表示の根拠の確認、情報の共有、担当者を定めること、根拠資料の保管、問題が起きたときの対応を挙げています。個人事業主などの小規模な事業者は、規模に応じて代表者が表示を管理し、代表者を担当者に定めることも可能とされ、規程を明文化しなくても方針を認識していれば足りる場合もあるとされています。(出典:消費者庁「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」)1枚の簡単な決めごとでも役立ちます。

決める項目内容の例(運用上の例)関係する根拠
表示の確認者投稿前に確認する人と、効果表現・価格・「PR」表示の確認点消費者庁の管理上の措置の指針
根拠資料の保管「最大」「No.1」などの表現の根拠、薬剤の区分、価格の条件同上
お客様の写真・顧客情報撮影・掲載の同意、保存場所(私物スマホの扱い)、削除依頼の窓口個人情報保護法ガイドライン(従業者の監督など)
スタッフの投稿お客様を装わない。スタッフと分かる形にするステマ規制の運用基準(美容系SNSのUGC設計)
アカウントと退職時個人用とサロン用を分ける。退職時の案内方法Instagram利用規約
トラブル時事実確認、訂正、再発防止の手順と連絡先消費者庁の管理上の措置の指針

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、従業者に個人データを取り扱わせるときは、安全管理が図られるよう、必要かつ適切な監督をしなければならないとしています。従業者には、雇用関係にある人のほか、事業者の指揮監督を受けて業務に従事している人も含まれます。(出典:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」)お客様のLINEやDMの連絡先、スタイル写真のデータの扱いを、ポリシーに書いておきましょう。

美容師のInstagramでよくある失敗

失敗例起きること対処
髪や頭皮の効果を断定する薬機法・景品表示法の問題効能の範囲内の表現に、メニュー名も含めて見直す
アカウントの扱いが未決定退職時にフォロワーとの連絡が途切れる個人用とサロン用を分け、案内方法を決める

よくある質問(Q&A)

Q. フォロワーが少なくても、指名につながりますか?
A. 公式ブログによると、検索で最も重要なのは入力した語とユーザーネームや自己紹介、キャプションなどとの一致で、人気度は候補が多いときに考慮されます。まず名前とプロフィール、キャプションを整えましょう。(出典:Instagram公式ブログ「Instagram検索の詳しい仕組み」(2021年8月25日))

Q. ハッシュタグは何個つければよいですか?
A. 現在のInstagramヘルプでは、1つの投稿に使えるタグは最大5個です。(出典:Instagramヘルプ「Instagramでハッシュタグを使用する」)

Q. 独立するとき、お客様に直接連絡してもよいですか?
A. サロンが保有するお客様の情報は、サロンの安全管理の対象で、第三者へ提供する場合は、原則として本人の同意が必要とされています(個人情報保護法)。取扱いは契約書や就業規則で確認し、迷う場合は弁護士などへ相談してください。(出典:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」)

まとめ

美容師のInstagramは、プロフィールとキャプションで「得意な施術とエリア」を伝え、Instagramの仕様に合った写真を撮り、ハッシュタグは5個以内に絞る、という基本が土台です。そのうえで、独立・業務委託のルールとサロンとの取り決めを1枚にまとめておくと安心です。

まずは今週、自己紹介と直近のキャプションを見直し、SNSポリシーの下書きを作ってみましょう。

参考情報・出典