美容サロンSNS完全ガイド

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ヘアサロン、ネイル、まつ毛エクステ、エステ。同じ「美容サロン」でも、SNSで見せやすいものも守るべきルールも違います。写真映えするぶん、「お客様の顔が写る」「料金の見せ方があいまい」「予約までの道のりが長い」の3点でつまずきがちです。

この記事は、ヘア・ネイル・まつ毛などに共通する運用設計を、予約導線、メニュー・料金の表示、お客様の写真の扱いに絞って整理したものです。エステ固有の表示ルール(景品表示法、特定商取引法、薬機法、医行為との線引き)はエステサロンのSNS集客で扱っています。法令や各サービスの仕様は、公式の原文で確認できた範囲だけを書いています。個別の判断は所管窓口や専門家へご確認ください。

この記事の3行まとめ

① 業態ごとに「資格・届出」と「見せ方」を整理してから投稿を決める
② 予約の窓口を1つに決め、Instagram・Googleビジネスプロフィール・LINEのどこからも同じ場所へ案内する
③ メニューは税込の総額と「条件」まで書き、お客様の写真は掲載先ごとに同意を取る

業態ごとに違う前提を先に整理する

美容師法は、「美容」をパーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることと定義しています。そのうえで、美容師でなければ美容を業としてはならないこと、美容師は原則として美容所以外で美容の業をしてはならないこと、美容所を開設するときは事前に都道府県知事へ届け出ることを定めています。(出典:e-Gov法令検索「美容師法」)厚生労働省は、まつ毛エクステンションの施術は美容師法の「美容」にあたり、施術者には美容師の免許が必要で、届出された美容所でなければ施術できないと説明しています。(出典:厚生労働省「まつ毛エクステンションの危害」)

ネイルやエステなど他の業態の資格・届出の扱いは、メニューや自治体で異なる場合があります。新しいメニューを告知する前に、所管の保健所へ確認すると安心です。業態ごとの見せ方と注意点の例を整理します。

業態SNSで見せやすいもの(例)業態固有の注意(例)
ヘアサロンスタイル写真、髪質や悩み別の提案、仕上げの様子カラーやパーマなどの追加料金が出る条件を明記する。美容師法の対象
まつ毛エクステ目元の仕上がり、デザインの種類、施術の流れ美容師法の対象(厚生労働省)。目の周辺の施術なので、異常があったときの対応も案内する
ネイルデザイン例、季節のアート、オフや追加アートの案内オフ・パーツ・長さ出しなどの追加料金を、基本料金とあわせて明記する

予約導線は「窓口を1つに決めて、入口を揃える」

まず予約を受け付ける窓口(自社の予約ページや予約サービス)を1つ決め、各入口の設定を揃えます。

入口設定できること公式で確認できた条件
Instagramプロフィールのアクションボタンから予約サービスへ誘導ビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントのみ。表示できるボタンは1つ。選べるパートナーは限られ、パートナーのアカウントが事前に必要(出典:Instagramヘルプ「Instagramビジネスアカウントにアクションボタンを追加する」、Instagramヘルプ「Instagramのアクションボタンパートナーについて」)
Googleビジネスプロフィール「予約を取る」などのリンクを追加カテゴリごとに最大10個まで追加可。メニューを確認するためのリンクは1つ(出典:Googleビジネスプロフィール ヘルプ「ローカル ビジネス リンク」)
LINE公式アカウント「LINEで予約」、リッチメニューからの予約フォーム予約サービスとの連携が完了しているアカウントで利用可。リッチメニューはトーク画面の下部に固定表示(出典:LINE公式アカウント マニュアル「LINEで予約」、LINE公式アカウント マニュアル「リッチメニュー」)

Instagramのパートナー一覧は「一部のパートナーのリスト」と案内されており、確認した時点(2026年10月)の予約サービスの一覧には、国内の美容サロン向け予約サービスの名前は見当たりませんでした。自社が使う予約サービスが対応しているかは、Instagramのヘルプとサービス提供元の案内で確認してください。対応していない場合は、プロフィールのリンクで予約ページへ案内する方法もあります。

Googleビジネスプロフィールでは、予約プロバイダ経由で予約を受けると、プロバイダから料金が請求される場合があると案内されています。また、自社で追加したリンク(カスタムリンク)のパフォーマンスデータは確認できないとされています。(出典:Googleビジネスプロフィール ヘルプ「サービス提供事業者経由で予約を設定する」)予約の流入元は、初回来店時のアンケートでも把握できます。

メニュー・料金は「税込の総額」と「条件」までそろえる

国税庁は、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合には、消費税額を含めた価格(税込価格)の表示が必要だと説明しています。口頭で伝える価格は対象外ですが、店頭、チラシ、広告などどの媒体かは問わないとされています。国税庁が示す例は、「11,000円」「11,000円(税込)」「11,000円(税抜価格10,000円)」のように、税込の総額が含まれる形です。(出典:国税庁 タックスアンサー No.6902「総額表示」の義務付け)SNSに載せるメニュー表の画像も同様に整えましょう。

消費者庁の考え方は、サービス業の価格表示にも基本的に当てはまると整理しています。販売価格を表示するときは、価格だけでなく、その価格が適用される商品・役務の範囲と、適用される顧客の条件も正確に示す必要があるとされています。たとえば、通常はあわせて提供される関連サービスの対価を別途請求するのに、その旨を示さず基本の価格だけを載せることや、特定の顧客に限った価格なのに条件を示さないことが、不当表示のおそれがある例として挙げられています。(出典:消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」)

  • 税込の総額で書く(例:「カット 5,500円(税込)」)
  • 料金に含まれる施術の範囲(シャンプーやブローなど)を書く
  • 長さ、デザイン、オフなどで追加料金が出る条件を、同じ画像・同じ投稿の中に書く
  • 「新規の方」「学生」など対象の条件と、期間があれば期間を書く

「通常価格」と比べる二重価格の表示は、比較に使える価格の条件が細かく決まっています。キャンペーンを打つ前に、エステサロンのSNS集客の価格表示の項目も確認してください。

スタイル写真・お客様の写真は、同意と目的を決めてから載せる

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、「個人に関する情報」には氏名や生年月日だけでなく顔画像も含まれ、特定の個人を識別できる情報は個人情報にあたるとしています。個人情報を取り扱うときは利用目的をできる限り特定すること、取得したら速やかに利用目的を本人に通知または公表すること、利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱うときはあらかじめ本人の同意を得ることが求められます。(出典:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」)

同委員会のQ&Aには、会社の行事で撮った写真を社内に展示する例があります。本人を判別できる写真は個人情報にあたり、利用目的の通知または公表が必要であること、プライバシーや肖像権の侵害にあたる場合もあるため、不特定多数への提供では自主的に本人の同意を得るなどの取組が望ましいことが説明されています。(出典:個人情報保護委員会 Q&A「Q7-11 会社の行事で撮影された写真などの展示」)これは社内展示の例ですが、SNSは誰でも見られるため、掲載前に同意を取る運用が安心です。

同意の項目は、次のように分けるとお客様が選びやすくなります(運用上の例)。

  • 撮影してよいか(撮影のみ/掲載もしてよい)
  • 写してよい範囲(顔まで/後ろ姿や首から下/手元のみ)
  • 掲載してよい場所(Instagram、自社サイト、予約サイトなど)
  • 掲載期間と、削除を頼みたいときの連絡方法

お客様の投稿を再投稿する場合の許可の取り方は、美容系SNSのUGC設計で扱います。医療機関風の見せ方は美容クリニック風アカウントのNGで扱います。

運用体制と投稿前チェックリスト

「撮る人」「書く人」「確認する人」を分け、投稿前に次の点を確認します。美容師個人のアカウント設計は美容師のInstagram集客術で扱っています。

  1. プロフィールの予約リンクは、いまも使える窓口か
  2. 料金は税込の総額か。追加料金の条件・対象条件が書かれているか
  3. 写っているお客様全員から、掲載の同意を得ているか
  4. 資格や届出が必要な施術を、届出のない場所や資格のない人が行うかのように見せていないか
  5. 効果を断定する表現がないか(エステの詳細はエステサロンのSNS集客)

効果は、フォロワー数よりも予約に近い数字で見ます。たとえば、プロフィールから予約ページへのアクセス、予約数、初回アンケートの「来店のきっかけ」です。見方はSNS効果測定の方法を参考にしてください。

美容サロンのSNSでよくある失敗

失敗例起きること対処
予約リンクが古い・複数ある予約前に離脱される、問い合わせが増える窓口を1つに決め、入口ごとにリンクを点検する
メニュー画像が税抜のみ・条件なし表示の誤認や、来店時のトラブルにつながる税込の総額と追加料金の条件を同じ画像に書く
お客様の写真を同意なしで掲載削除依頼やプライバシーのトラブル撮影・掲載・範囲を分けて同意を取り、記録する

よくある質問(Q&A)

Q. Instagramに「予約」のボタンは必ず付けられますか?
A. アクションボタンはビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントで使え、選べるパートナーは限られ、パートナーの既存アカウントが必要です。表示できるボタンは1つだけです。使えるかは自社の予約サービスで確認してください。(出典:Instagramヘルプ「Instagramビジネスアカウントにアクションボタンを追加する」、Instagramヘルプ「Instagramのアクションボタンパートナーについて」)

Q. メニュー表は税抜価格だけでも構いませんか?
A. 国税庁は、消費者向けにあらかじめ価格を表示する場合は税込価格の表示が必要としています。示されている例は、いずれも税込の総額が含まれる形です。(出典:国税庁 タックスアンサー No.6902「総額表示」の義務付け)

Q. ネイルやまつ毛など新しい業態を始めるとき、SNSで告知する前に何を確認しますか?
A. 資格や届出の要否はメニューや自治体で異なる場合があります。まつ毛エクステは美容師法の「美容」にあたり、美容師免許と届出された美容所が必要と厚生労働省が説明しています。始める前に保健所へ確認を。(出典:厚生労働省「まつ毛エクステンションの危害」、e-Gov法令検索「美容師法」)

まとめ

美容サロンのSNS運用は、業態ごとの前提を押さえたうえで、予約の窓口を1つに揃え、料金は税込の総額と条件まで書き、お客様の写真は掲載前に同意を取る、という3点が土台です。投稿の見栄えは、その上で磨きます。

まずは今週中に、プロフィールの予約リンクを自分でたどり、メニュー画像の価格表示とあわせて点検してみてください。

参考情報・出典