法人のSNSマーケティングは自社対応すべきか?

法人のSNSマーケティングは自社対応すべきか?

法人としてSNSマーケティングに取り組もうとすると、多くの方がぶつかるのが「自社対応でやるべきか、外注すべきか」という悩みです。

コストだけを見れば自社対応が良さそうに思えますが、属人化や炎上リスクなど、見えにくい落とし穴も少なくありません。

この記事では、上位サイトの情報と実際の事例をふまえて、法人がSNSマーケティングを自社対応するメリット・デメリットから、体制づくりやKPI設計、外注とのハイブリッド運用までを丁寧に解説します。

読み終えるころには、自社にとって現実的な一歩が見えている状態を目指します。

この記事を3行で解説
  • 法人がSNSマーケティングを自社対応する際のメリット・デメリットとリスクを整理しました。
  • 自社対応を成功させるための体制づくりや運用ルール、KPI設計のポイントを具体的に解説しています。
  • 自社対応と外注を組み合わせたハイブリッド運用という現実的な選択肢も含め、自社に合った判断軸が分かる内容です。
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法人のSNSマーケティングを自社対応する前に押さえたい基礎知識

これから法人のSNSマーケティングを自社対応する前に押さえておきたい基礎知識について解説します。

  • 1-1. SNSマーケティングとSNS運用・SNS広告の違い
  • 1-2. なぜ今、法人にとってSNSマーケティングが重要なのか
  • 1-3. 自社対応を考える前に整理しておきたい目的とゴール

SNSマーケティングとSNS運用・SNS広告の違い

SNSを自社対応するかどうかを考えるとき、まず整理しておきたいのが用語の違いです。

SNSマーケティングは、インフルエンサーマーケティングや公式アカウント運用、SNS広告、キャンペーン、ソーシャルリスニングなどをまとめた総称です 。その中の一部が日々の投稿運用であり、もう一部が広告配信です。

この違いを理解しておかないと、担当者が一人で全部抱え込み、現場がパンクしやすくなります。社内で対応する範囲と、外部の力を借りる範囲を切り分けるためにも、最初に言葉の整理をしておくことが重要です。

日常的な投稿やファンとのコミュニケーションは自社で担い、専門的な広告運用や高度な分析は外部パートナーと組む。そんな役割分担ができると、自社対応でも現実的な運用体制を組みやすくなります。

なぜ今、法人にとってSNSマーケティングが重要なのか

日本のSNS利用率はすでに8割を超え、今もなお増加傾向にあります 。ユーザーにとってSNSは、友人とのコミュニケーションだけでなく、商品やサービスを見つける場所にもなりました。

この状況でSNSを活用しないということは、見込み顧客が日常的に集まっている場所に、自社だけ姿を見せていない状態と同じです。特にBtoB企業でも、採用やブランディング目的でSNSを活用する事例は増えています。

単なる情報発信の場ではなく、認知・信頼・比較検討の全てのステップにSNSが関わる今、法人がマーケティング全体の中でSNSの位置づけをはっきりさせることが欠かせません。

自社対応を考える前に整理しておきたい目的とゴール

自社対応に踏み切る前に、何を達成したいのかを言語化しておくことが大切です。

よくある目的は、次のようなものです。

  • 企業認知やブランドイメージの向上
  • 自社サイトやLPへの流入増加
  • 資料請求や来店予約などのリード獲得
  • 採用候補者との接点づくり

目的が決まると、追いかけるべき指標も変わります。例えば、採用目的のアカウントなら、フォロワー数より採用ページへのクリック数や応募数の方が優先度は高くなります。

目的とゴールを曖昧にしたまま始めると、途中で評価軸がブレて「結局、この運用はうまくいっているのか」が分からなくなります。自社対応を決める前に、経営層や関係部署と一度、目的とゴールを共有しておくと、その後の判断がぐっと楽になります。

法人がSNSマーケティングを自社対応するメリット

これから法人がSNSマーケティングを自社対応するメリットについて解説します。

  • 2-1. 自社理解の深さを生かした発信ができる
  • 2-2. ノウハウが社内資産として蓄積される
  • 2-3. コストコントロールとスピード感を両立しやすい

自社理解の深さを生かした発信ができる

自社対応の一番の強みは、会社や事業への理解が圧倒的に深いことです。現場の雰囲気、顧客のリアルな声、社内の裏側ストーリーなどは、外部パートナーにはなかなか伝えきれません。

実際に、社内の担当者が中心となってSNS運用を行う企業では、社員インタビューや日常の一コマを発信することで、求職者や顧客からの共感を集めているケースが多く見られます 。

ブランドの世界観をつくるのは、細かなニュアンスの積み重ねです。そのニュアンスを一番理解している人が、自社で発信の舵を握ることで、SNS全体の雰囲気を統一しやすくなります。

ノウハウが社内資産として蓄積される

自社対応にすると、うまくいった投稿や失敗した施策の理由が、すべて社内の知見として残っていきます。

どの企画がバズったのか、どのテーマが反応を取りやすいのか、どんな導線だと問い合わせにつながりやすいのか。こうした学びは、将来のキャンペーンや広告にも生かせます。

外注に丸投げしてしまうと、数字のレポートはもらえても、細かな仮説や学びが組織に残りにくくなります 。社内でPDCAを回す習慣ができれば、担当者が変わっても一定水準以上の運用を続けやすくなります。

SNSのアルゴリズムやユーザーのトレンドは変わり続けますが、そうした変化に自分たちでキャッチアップできる組織になれば、長期的には外注に依存するよりも強い状態をつくれます。

コストコントロールとスピード感を両立しやすい

自社対応は、毎月の固定費を抑えやすいという側面もあります。

運用代行会社に依頼すると、戦略設計や投稿制作、レポート作成などをまとめて依頼できる一方で、月額数十万円〜のコストがかかるケースが一般的です 。

社内の人員をアサインする場合も人件費は発生しますが、他業務との兼務やフェーズに合わせた工数調整がしやすくなります。また、ちょっとしたお知らせや急な対応も、社内で完結できるためスピード感を出しやすいです。

もちろん、全てを自社だけでまかなうのは負荷が高くなるため、後述するように一部のみ外注するハイブリッド運用と組み合わせることで、コストとスピードのバランスを取りやすくなります。

法人がSNSマーケティングを自社対応するデメリット・リスク

これから法人がSNSマーケティングを自社対応する際のデメリットやリスクについて解説します。

  • 3-1. 属人化と担当者の疲弊リスク
  • 3-2. 戦略不在のまま投稿だけ増えてしまう問題
  • 3-3. 炎上・コンプライアンスリスクへの備え不足

属人化と担当者の疲弊リスク

自社対応で一番多い悩みが、担当者の属人化です。

マーケティングもSNSも本業、加えて社内調整や問い合わせ対応まで抱えてしまうと、どうしても業務が個人に集中します。

担当者が病気や退職で抜けた瞬間に、アカウントが止まってしまうケースは珍しくありません。過去の取り組みの背景や意図が共有されていないと、新担当者はゼロから勉強し直しになり、組織としての学びが途切れてしまいます。

このリスクを下げるには、マニュアルや運用ルールを言語化し、最低限のダブルチェック体制を敷くことが欠かせません。体制づくりは、後ろ倒しにすると必ずツケが回ってきます。

戦略不在のまま投稿だけ増えてしまう問題

自社対応のSNSを見ていると、更新頻度は高いのに、事業成果につながっていないケースがよくあります。

よくあるパターンは、担当者が手探りで投稿を続けるうちに、フォロワー数やいいね数を増やすこと自体が目的化してしまう状態です。

本来は、売り上げやリード獲得、採用などの事業目標にどう貢献するのかを考えた上で、KPIを設定し、コンテンツの方向性を決める必要があります 。戦略がないまま投稿が増えるほど、振り返りが難しくなり、どこを改善すればいいのか分からなくなります。

自社対応を選ぶのであれば、最初に戦略の土台を外部コンサルと一緒につくる、あるいは社内で十分な時間を取り、目的・ターゲット・ポジションをきちんと整理してから運用を始めることが重要です。

炎上・コンプライアンスリスクへの備え不足

法人アカウントは、発信内容に対する責任が非常に重くなります。

何気ない表現が差別的だと受け取られたり、著作権や景品表示法などの法律に抵触する表現を使ってしまったりするリスクがあります 。

特に自社対応では、現場スタッフが良かれと思って投稿した内容が炎上し、ブランドイメージに大きな傷を残すこともありえます。炎上そのものだけでなく、その後の謝罪や対応にも社内工数が取られます。

このリスクを下げるには、事前にNGワードや事例をまとめたガイドラインを整備し、投稿前のチェックフローをつくることが必要です。法務やコンプライアンス部門と連携し、グレーな表現を個人の判断に委ねない仕組みがあると安心です。

自社対応と外注・コンサルの違いと比較ポイント

これから自社対応と外注・コンサルの違いと比較ポイントについて解説します。

  • 4-1. 自社対応と外注・コンサルの役割の違い
  • 4-2. コスト比較だけで判断すると失敗しやすい理由
  • 4-3. 内製化支援型コンサルを活用するという考え方

自社対応と外注・コンサルの役割の違い

自社対応は、社内の知見とリソースでSNSマーケティングを回すやり方です。一方で外注やコンサルは、戦略設計や運用、クリエイティブ制作などを専門家に依頼する形になります 。

役割の違いを整理すると、次のようなイメージです。

  • 自社対応
    • 社内の理解を生かした発信
    • 日々のコミュニケーション
    • 自社の他施策との連携
  • 外注・コンサル
    • 戦略設計、ポジショニング整理
    • クリエイティブの品質担保
    • 最新トレンドや事例のインプット

このように、どちらが良い悪いではなく、得意領域が違う存在として捉えると、組み合わせ方が見えやすくなります。

コスト比較だけで判断すると失敗しやすい理由

自社対応か外注かを検討するとき、多くの法人が月額費用だけを比較しがちです。

しかし、実際には担当者の人件費や他業務に割けなくなる機会損失、失敗施策に使ってしまう広告費など、見えにくいコストも含めて判断する必要があります 。

例えば、月30万円の外注費を削るために自社対応に切り替えた結果、社内の重要プロジェクトが遅れたり、SNSの成果が下がったりしては本末転倒です。逆に、外注費をかけているのに社内にノウハウが残らない状態も、長期的には損失になります。

費用だけでなく、時間・ノウハウ・リスクを含めたトータルコストで考えると、自社対応と外注の最適なバランスが見えやすくなります。

内製化支援型コンサルを活用するという考え方

最近増えているのが、SNSマーケティング機能を社内に構築することを前提とした「内製化支援」のコンサルティングです 。

単なる運用代行ではなく、プロジェクトの初期フェーズで戦略設計や型づくりを伴走し、その後は徐々に社内チームに運用を引き継いでいくスタイルです。

この方法であれば、短期的には外部の知見をフル活用しながら、中長期的には自社で回せる体制を整えられます。特に、人材業界やSaaSなど、継続的にコンテンツが必要な領域では、内製化支援が有効です。

自社対応か外注かを二択で考えるのではなく、「数年かけて内製化していくために、今どこまで外部に頼るか」を設計する発想が大切です。

法人のSNSマーケティングを自社対応するための体制づくり

これから法人のSNSマーケティングを自社対応するための体制づくりについて解説します。

  • 5-1. 最低限そろえたい役割とスキルセット
  • 5-2. 片手間運用から脱却するための時間と予算の確保
  • 5-3. 他部署を巻き込むための社内コミュニケーション

最低限そろえたい役割とスキルセット

自社対応にするなら、少なくとも次の役割は意識しておきたいところです。

  • 戦略・ディレクション担当(目的設計、企画全体の舵取り)
  • コンテンツ制作担当(ライティング、デザイン、撮影など)
  • 分析担当(数字のモニタリング、レポート作成)

もちろん、最初から三人体制を組めないこともあります。ただ、一人の担当者が全てを抱えるにしても、「今どの役割をやっているのか」を自覚して動くことで、抜け漏れを減らせます。

中長期的には、これらの役割を分担できる組織を目指すと、自社対応でも無理なくクオリティを保ちやすくなります。

片手間運用から脱却するための時間と予算の確保

SNS運用は、片手間でやるとほぼ確実に「更新が止まる」か「成果が見えない」のどちらかになります 。

自社対応を選ぶのであれば、週あたり何時間をSNSに投下するのか、どの程度の予算を広告やツールに使うのかを、最初に決めておく必要があります。

例えば、週に3〜5時間を定例MTGとコンテンツ制作に充てる、月数万円は広告検証に回す、といった最低ラインを決めておくと、体制としてのコミットメントが明確になります。

ここをあいまいにしたまま始めてしまうと、忙しい時期に真っ先にSNSが後回しになり、軌道に乗る前にフェードアウトしてしまいがちです。

他部署を巻き込むための社内コミュニケーション

法人のSNSは、マーケティング部だけで完結するものではありません。

人事部にとっては採用チャネルになり、営業部にとってはリード獲得の入口になり、現場にとっては顧客との接点にもなります。

そのため、自社対応を成功させるには、関係部署と早い段階から目的とルールを共有しておくことが重要です。例えば、

  • 社内でSNS施策を共有する定例会を設ける
  • 投稿ネタの募集フォームを作り、現場から情報を集める
  • 成果が出た投稿や事例を社内ニュースとして共有する

といったコミュニケーションがあるだけでも、協力を得やすくなります。SNSを一部門の施策ではなく、会社全体の取り組みとして位置づけることで、長く続けやすい体制になります。

自社対応を成功させるための運用ルールとKPI設計

これから自社対応を成功させるための運用ルールとKPI設計について解説します。

  • 6-1. 炎上を防ぐガイドライン・チェックフロー
  • 6-2. 目的から逆算したKPI・KGIの決め方
  • 6-3. ツールとレポートで振り返りを習慣化する

炎上を防ぐガイドライン・チェックフロー

法人アカウントでは、投稿の前に必ず通すチェックフローを決めておくと安心です 。

具体的には、次のような観点を押さえたガイドラインが役立ちます。

  • 差別的・攻撃的に受け取られる表現がないか
  • 法律や業界ガイドラインに抵触する可能性はないか
  • 実績や数字の表現が誇大になっていないか
  • 特定の個人・企業への批判になっていないか

これらをチェックリスト化し、重要な投稿やキャンペーン投稿は必ず二人以上で確認するルールを決めておくと、現場の心理的負担も減ります。万が一炎上したときの対応フローも、事前に社内で合意しておくと、いざという時に慌てず対応できます。

目的から逆算したKPI・KGIの決め方

KPI設計は、目的から逆算して考えるのが基本です。

例えば、BtoBで「資料請求を増やしたい」という目的があるなら、

  • KGI:資料請求数
  • KPI:SNSからLPへの流入数、LPのCVR、クリック率、リーチ数

といった形で分解していきます 。

採用目的なら、エントリー数や会社説明会への申込数がKGIになり、それに紐づくSNS上のアクションをKPIとして設定していきます。

フォロワー数やいいね数は分かりやすい指標ですが、それだけを追いかけていると、本来の目的から離れてしまいがちです。自社の事業にとって意味のある数字は何かを、最初にチームで話し合っておくと、運用の軸がブレにくくなります。

ツールとレポートで振り返りを習慣化する

自社対応で成果を出している企業の共通点は、少なくとも月に一度は数字を見て振り返る習慣があることです 。

プラットフォーム標準のインサイト機能に加え、必要に応じて外部分析ツールを使うのも有効です。

振り返りでは、

  • どの投稿テーマが反応を取りやすいか
  • どのフォーマット(画像、リール、カルーセルなど)が効果的か
  • どの導線がサイト流入やCVにつながりやすいか

といった観点で、定点観測していきます。

数字をただ眺めるのではなく、「次の1か月で何を試すか」というアクションまで決めておくと、PDCAが回りやすくなります。

自社対応で起こりがちな失敗パターンと改善策

これから自社対応で起こりがちな失敗パターンと改善策について解説します。

  • 7-1. 投稿は続いているのに成果が見えないケース
  • 7-2. 担当者の退職でアカウントが止まるケース
  • 7-3. バズ狙いに振り切りすぎてブランドがブレるケース

投稿は続いているのに成果が見えないケース

投稿はしているのに成果が見えない場合、多くは目的とKPIがあいまいなまま運用している状態です。

どの指標を見れば良いか分からないため、手応えが感じられず、やがてモチベーションも下がっていきます。

この状況を抜け出すには、一度立ち止まって、目的・ターゲット・訴求内容を整理し直すことが大切です 。既存の投稿の中から反応が良かったものを洗い出し、その共通点を言語化していくと、次に打つべき施策が見えてきます。

担当者の退職でアカウントが止まるケース

担当者がいなくなった途端に、SNSが更新されなくなるケースもよくあります。

背景には、ノウハウや情報が個人に閉じていたこと、運用マニュアルが残っていなかったことがあることが多いです。

改善策としては、

  • 企画書や投稿の意図を共有ドキュメントに残しておく
  • 月次レポートを作り、仮説や学びを書き残す
  • 重要なタスクは二人体制で把握しておく

といった仕組みづくりが効果的です。

内製化支援型コンサルを活用して、運用体制とマニュアルを一緒に作る企業も増えています 。

バズ狙いに振り切りすぎてブランドがブレるケース

短期的な成果を求めるあまり、バズだけを狙ったコンテンツに偏ってしまうと、ブランドのイメージが壊れてしまうことがあります。

炎上まではいかなくても、「この会社、結局何の会社なのか分からない」と感じられてしまうと、本来獲得したかった顧客には届かなくなります。

長期的なブランドづくりを重視するなら、

  • ブランドの世界観から外れないテーマを決める
  • エンタメ性の高い投稿と情報価値の高い投稿のバランスを取る
  • バズりやすさより、ファンとの関係性を優先する

といった視点が大切です。

バズはあくまで副産物と捉え、自社が届けたい価値から逆算してコンテンツを設計していきましょう。

自社対応が向いている法人・外注が向いている法人の見極め方

これから自社対応が向いている法人・外注が向いている法人の見極め方について解説します。

  • 8-1. 自社対応が向いている法人の条件
  • 8-2. 外注やコンサルが向いている法人の条件
  • 8-3. フェーズ別に考える判断フレーム

自社対応が向いている法人の条件

自社対応が向いているのは、次のような条件を満たす法人です。

  • 社内にマーケティングやクリエイティブに興味を持つ人材がいる
  • 中長期でブランドや採用力を高めていきたい
  • SNS以外の施策とも連携しながら、全体で成果を出したい

こうした企業は、外部の力を借りつつも、最終的にはSNSを自社の強みにしていくことで、競合と差別化しやすくなります 。

外注やコンサルが向いている法人の条件

一方で、以下のような場合は、外注やコンサル活用を前提に考えた方が現実的です。

  • そもそも社内にSNS運用に割ける人材や時間がない
  • 短期間で成果を求められており、試行錯誤する余裕が少ない
  • 炎上リスクを極力避けたい業種で、経験豊富なパートナーと組みたい

このような企業にとって、SNSマーケティング会社や運用代行会社は心強いパートナーになります 。

ただし、その場合も、目的やKPIの設計には社内がしっかり関わることが重要です。

フェーズ別に考える判断フレーム

自社対応か外注かは、一度決めたら変えられないものではありません。

スタートアップや新規事業であれば、立ち上げフェーズは外注でスピードを優先し、半年〜1年かけて自社対応に切り替えるパターンもあります 。

判断のポイントは、

  • 立ち上げフェーズ:外注比率を高め、型づくりと検証を優先
  • 成長フェーズ:自社対応比率を高め、ノウハウを社内に蓄積
  • 安定フェーズ:一部外注と組み合わせながら、効率化・高度化を図る

というように、フェーズごとにバランスを見直していくことです。

自社の現状と目標を照らし合わせながら、1〜2年単位で最適な組み合わせを考えていきましょう。

自社対応と外注を組み合わせるハイブリッド運用という選択肢

これから自社対応と外注を組み合わせるハイブリッド運用について解説します。

  • 9-1. 戦略設計だけ外部に任せるパターン
  • 9-2. クリエイティブ制作だけ外注するパターン
  • 9-3. 内製化コンサルで半年〜1年かけて自社対応に切り替えるパターン

戦略設計だけ外部に任せるパターン

ハイブリッド運用の代表的な形が、戦略設計だけ外部のコンサルに任せ、実行は自社で行うパターンです。

ターゲット設定やポジショニング、コンテンツ方針といった上流部分をプロと一緒に固めることで、現場は迷わずに日々の運用に集中できます 。

定期的にコンサルがレビューに入り、数字を見ながら戦略をアップデートしていくことで、自社対応でありながら常に最新の知見を取り入れられます。

クリエイティブ制作だけ外注するパターン

もう一つのよくある形が、企画やディレクションは社内で行い、デザインや動画制作などのクリエイティブだけ外注するパターンです 。

これなら、自社の世界観や伝えたいメッセージは社内でコントロールしつつ、投稿のクオリティはプロの力で底上げできます。制作リソースが足りない場合にも現実的な選択肢です。

内製化コンサルで半年〜1年かけて自社対応に切り替えるパターン

内製化コンサルを活用し、半年〜1年かけて徐々に自社対応に切り替えていく企業も増えています 。

最初の数か月はコンサルが実務に深く入り、運用の型を一緒につくり、その過程で社内メンバーを育成していきます。

その後は、社内メンバーが主導で回し、コンサルは定例のアドバイザリーに移行する、といった形を取ると、外部への依存度を徐々に下げながら、自社対応の精度を高めていくことができます。

まとめ:法人のSNSマーケティングを自社対応で育てるステップ

これから法人のSNSマーケティングを自社対応で育てるステップについて解説します。

  • 10-1. 自社対応のメリット・デメリットを整理し直す
  • 10-2. まずは小さく始めて、半年単位で改善していく
  • 10-3. 組織としてSNSマーケティングを育てるという発想を持つ

自社対応のメリット・デメリットを整理し直す

ここまで見てきたように、自社対応には「自社理解の深さを生かせる」「ノウハウが資産になる」といった大きなメリットがある一方で、属人化や炎上リスクなどのデメリットも存在します 。

大切なのは、自社のリソースやフェーズを踏まえて、どのメリットを取りに行き、どのデメリットをどうやって抑えるのかを、経営と現場が一緒に考えることです。

まずは小さく始めて、半年単位で改善していく

SNSマーケティングは、最初から完璧を目指すより、小さく始めて改善を重ねていく方がうまくいきます。

まずは一つのプラットフォーム、一つのターゲット、一つのゴールに絞り、半年ほど運用してみる。その中で得られた学びをもとに、戦略や体制をアップデートしていくイメージです 。

半年ごとに振り返りの場を設け、継続するのか、方向転換するのか、外部の力を足すのかを見直していくと、自社対応でも無理なく続けられます。

組織としてSNSマーケティングを育てるという発想を持つ

最後に意識したいのは、SNSマーケティングを「担当者の仕事」ではなく、「組織として育てる資産」として捉えることです。

部署をまたいだ連携、内製化コンサルの活用、ガイドライン整備など、組織としての土台づくりに投資することで、SNSは長期的に効くマーケティングチャネルになっていきます。

自社対応か外注かに正解はありません。大事なのは、自社にとって最適なバランスを見つけ、そのバランスを定期的に見直しながら、SNSマーケティングを育てていく姿勢です。

法人のSNSマーケティングを自社でするべきのまとめ

法人がSNSマーケティングを自社対応するかどうかは、コストだけでなく、目的・体制・リスクまで含めて考える必要があります。

自社対応には、自社理解の深さを生かした発信やノウハウの蓄積などのメリットがある一方で、属人化や炎上リスクといった課題もあります。

そのため、目的から逆算したKPI設計や運用ルールづくり、内製化コンサルや部分的外注を組み合わせたハイブリッド運用が重要です。

フェーズに応じて自社対応と外注のバランスを見直しながら、組織としてSNSマーケティングを育てていくことが、法人にとって中長期的な成果につながります。

この記事のポイント
  • 自社対応の前に目的・ターゲット・ゴールを必ず言語化する
  • メリットだけでなく、属人化や炎上などのリスクも設計段階で織り込む
  • 内製化支援や部分外注を組み合わせたハイブリッド運用が現実的
  • KPI設計と定期的な振り返りが、自社対応の成功のカギ
  • SNSは担当者任せにせず、組織として育てる資産と捉える

法人のSNSマーケティングのよくある質問

Q1: まず自社対応を始めるとしたら、何から手をつければいいですか?

A1: いきなり投稿内容を考えるのではなく、目的・ターゲット・ゴールを言語化するところから始めるのがおすすめです。その上で、どのSNSに絞るか、週にどれくらい時間を使えるか、どの指標を追うかを決めていきます。最初の1〜2か月はテスト期間と割り切り、小さく試して数字を見ながら軌道修正していくと、無理なく自社対応をスタートできます。

Q2: 自社対応と外注、どちらがコスト的に得なのでしょうか?

A2: 月額費用だけで見ると自社対応の方が安く感じますが、担当者の人件費や他業務への影響、失敗施策にかかる広告費などを含めた総コストで考える必要があります。短期で成果を求めるなら外注の方が効率的なケースもありますし、中長期でノウハウを残したいなら自社対応が有利です。自社のフェーズやリソースに合わせて、数年単位でのコストバランスを考えることが大切です。

Q3: 炎上が怖くて自社対応に踏み切れません。どう考えればいいですか?

A3: 炎上リスクはゼロにはできませんが、ガイドラインとチェックフローを整備することで、かなり低減できます。NG表現や過去事例をまとめた資料をつくり、重要な投稿は必ず複数人で確認する仕組みを作りましょう。初期フェーズだけでも、経験豊富なコンサルにルールづくりを手伝ってもらうと安心です。リスクを正しく理解し、必要な準備をしたうえで、自社対応に取り組むのが現実的なスタンスです。

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